TOPPANの「UCDisplay® Air」が多言語コミュニケーションを変革!空間設置型AI翻訳ディスプレイでインバウンド対応を強化

TOPPANの「UCDisplay® Air」が多言語コミュニケーションを変革!空間設置型AI翻訳ディスプレイでインバウンド対応を強化

近年、訪日外国人の増加に伴い、日本国内のさまざまな場所で多言語対応の必要性が高まっています。特に、店舗や窓口でのスムーズなコミュニケーションは、外国人観光客にとって快適な体験を提供する上で非常に重要です。このような背景の中、TOPPAN株式会社(以下、TOPPAN)は、これまでの翻訳システムの常識を覆す新しい翻訳ディスプレイ「UCDisplay® Air」を2026年3月より提供開始すると発表しました。この革新的なAI翻訳システムは、従来の課題をどのように解決し、多言語共生社会の実現に貢献するのでしょうか。AI初心者の方にも分かりやすく、その詳細を深掘りしていきます。

訪日外国人の増加と多言語対応の必要性:なぜ翻訳システムが重要なのか

日本政府観光局(JNTO)の発表によると、訪日外国人旅行者数はコロナ禍を経て急速に回復し、過去最高を記録する勢いで増加しています。これにより、コンビニエンスストア、空港、駅、レンタカーの窓口、バスの乗降口など、日常のあらゆる場面で外国語でのコミュニケーションが求められる機会が格段に増えました。

しかし、多くの施設では、英語以外の多言語に対応できるスタッフが常にいるわけではありません。また、多言語対応スタッフがいても、専門的な内容や緊急時の対応では、言葉の壁が大きな障壁となることがあります。こうした状況において、AI翻訳システムは、言語の壁を乗り越え、誰もが安心してサービスを利用できる環境を構築するための重要なツールとして注目されています。特に、視覚的に翻訳内容を確認できるディスプレイ型の翻訳システムは、音声だけでなく文字情報としても理解を助けるため、誤解の発生を防ぎ、より確実なコミュニケーションを可能にします。

従来の翻訳ディスプレイが抱えていた課題:設置スペースと視認性の問題

TOPPANは2023年より、窓口向け翻訳対応透明ディスプレイ「VoiceBiz® UCDisplay®」を提供し、多くの施設で外国人対応を支援してきました。このシステムは、音声認識した内容を翻訳文章として透明ディスプレイに表示することで、対面でのコミュニケーションを円滑にする画期的なものでした。

しかし、その導入を進める中で、新たな課題が浮上しました。従来の翻訳ディスプレイは、ある程度の設置スペースを必要とするため、カウンター面積に余裕のある総合窓口などでは有効活用されていました。一方で、スペースが限られた小型の窓口や売店、乗り物の乗降口といった場所では、設置が難しいという問題がありました。例えば、コンビニエンスストアのレジ横や、駅の小さな切符売り場、バスの運転席横などでは、既存のスペースを占有せずにディスプレイを置くことが困難だったのです。

また、これらの限られたスペースに対応するために、翻訳システムを単に小型化するだけでは、別の問題が生じる可能性がありました。小さすぎるディスプレイは利用者に気づかれにくく、表示される文字も小さくなるため、視認性や伝達性が低下してしまいます。これでは、せっかくの翻訳システムもその実用性が損なわれてしまいかねません。TOPPANは、これらの課題を解決するため、「設置スペースの制約」と「小型化による視認性低下」という二つの側面からアプローチし、新たなソリューションの開発に着手しました。

「UCDisplay® Air」の画期的な解決策:空間に設置する透明ディスプレイ

「UCDisplay® Air」は、まさにこれらの課題を解決するために開発された、空間設置型のAI翻訳システムです。このサービス最大の特長は、透明ディスプレイを「空間に設置する」という発想にあります。これにより、従来の翻訳ディスプレイでは設置が難しかった場所でも、目線の高さで多言語での双方向コミュニケーションが可能になります。

具体的には、小型軽量の透明ディスプレイを空間に設置できるよう、モジュールを薄型に改良しました。さらに、小型窓口用に特化した設置器具や、その場のアイテムを活かして設置するための連結器具を独自に開発することで、多様な設置方式に対応できるようにしています。これにより、既存のスペースを占有することなく、デッドスペースを有効活用して翻訳システムを導入することが可能になりました。

店舗内で、透明なディスプレイを介して客と店員が会話している様子。ディスプレイには日本語と英語で「ホットケーキ」に関するやり取りが表示されており、言語の壁を越えたコミュニケーションを支援するテクノロジーの活用が示されている。

「UCDisplay® Air」の3つの主要な特長を徹底解説

「UCDisplay® Air」は、多言語コミュニケーションをより円滑にするための、いくつかの画期的な特長を持っています。

1. 空間設置を可能にする薄型ディスプレイへの進化

従来の翻訳ディスプレイは、一般的に台座を置いて設置する「置き型モデル」が主流でした。しかし、「UCDisplay® Air」では、ディスプレイのモジュール自体を大幅に薄型化し、軽量な板型構造へと刷新しています。この技術的な進化により、ディスプレイを壁に掛けたり、天井から吊り下げたり、あるいは既存の構造物に取り付けたりといった、より自由な設置方法が可能になりました。これにより、カウンターの上が狭い場所や、そもそもカウンターがない場所でも、翻訳システムを導入する選択肢が大きく広がります。

2. 独自開発器具が実現する「目線の高さ」でのコミュニケーション

「UCDisplay® Air」のもう一つの大きな特長は、TOPPANが独自に設計・開発した専用器具です。この専用器具と組み合わせることで、ディスプレイを利用者の目線の高さに合わせて配置できるようになりました。なぜ目線の高さが重要なのでしょうか。それは、コミュニケーションにおいて、相手の表情と話の内容を同時に捉えることが、円滑な対話には不可欠だからです。

透明ディスプレイは、画面越しに相手の顔を見ながら、同時に翻訳されたテキストを確認できるため、言葉が分からなくても表情やジェスチャーから相手の意図を汲み取りやすくなります。これが目線の高さに設置されることで、より自然なアイコンタクトを保ちながら、翻訳テキストを視界に収めることが可能となり、透明ディスプレイならではの円滑なコミュニケーションを最大限に引き出すことができます。これにより、言葉の壁だけでなく、心理的な壁も低減されることが期待されます。

3. あらゆる場所にフィットするカスタマイズ設置対応

「UCDisplay® Air」は、標準の専用器具だけでなく、利用環境に合わせた専用器具の個別設計にも対応しています。これは、設置場所の形状やスペースが特殊な場合でも、柔軟に対応できることを意味します。例えば、アクリル板で仕切られている公共交通機関の窓口や、バスの車内といった、標準的なディスプレイの設置が難しい場所でも、それぞれの環境に合わせた最適な形で「UCDisplay® Air」を導入することが可能です。この高いカスタマイズ性は、幅広い業種や施設での導入を可能にし、多言語対応の裾野を広げることに貢献します。

「UCDisplay® Air」が活躍する具体的なシーン

「UCDisplay® Air」の登場により、これまで翻訳システムの導入が難しかった様々な場所での多言語コミュニケーションが実現します。具体的な活用シーンとしては、以下のような場所が挙げられます。

  • コンビニエンスストアや空港などの小型売店: レジ横の限られたスペースに設置し、商品の説明や会計時のやり取りをスムーズにします。

  • 駅やレンタカーの小型窓口: 切符の購入方法やレンタル手続きの案内など、複雑な説明も翻訳ディスプレイを通じて正確に伝えることができます。

  • バスの乗降口: 運賃の確認や目的地の案内など、乗客との短いやり取りでも誤解なく情報伝達を可能にします。

  • ホテルや観光案内所: チェックイン・アウト手続きや観光情報の提供において、よりパーソナルな対応を可能にします。

  • 病院や薬局: 症状の説明や薬の用法など、正確な情報伝達が不可欠な場面で、安心感を高めます。

このように、「UCDisplay® Air」は、あらゆる「人と人が対面でコミュニケーションを取る場所」において、言語の壁を取り払い、より円滑で質の高いサービス提供を支援します。

TOPPANのAI翻訳技術の基盤:「VoiceBiz® UCDisplay®」と国産逐次翻訳エンジン

「UCDisplay® Air」の基盤となっているのは、TOPPANが提供する音声AI翻訳サービス「VoiceBiz®」です。「VoiceBiz®」は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT:エヌアイシーティー)が開発した国産の逐次翻訳エンジンを活用しています。逐次翻訳とは、話者の発言を短い区切りごとにリアルタイムで翻訳していく方式で、まるで通訳者がその場で言葉を変換しているかのように、自然でテンポの良い会話を可能にします。

NICTが開発したこのエンジンは、日本の文化や専門用語、さらには方言などにも対応できるよう、継続的に精度向上が図られています。そのため、「VoiceBiz®」そして「UCDisplay® Air」は、単に外国語を日本語に、日本語を外国語に変換するだけでなく、より日本の状況に即した、質の高い翻訳を提供できる点が大きな強みです。

「VoiceBiz® UCDisplay®」の詳細については、以下のTOPPANのウェブサイトで確認できます。

導入を検討する企業へ:価格情報と今後の展望

「UCDisplay® Air」の参考価格は、1台あたり990,000円(税抜)です。ただし、設置環境や設置形態に応じた専用筐体の設計・仕様によって価格は変動する可能性があります。導入を検討している企業は、自社のニーズに合わせてTOPPANに相談し、最適なプランを見つけることが重要です。

TOPPANは、今後も「UCDisplay® Air」や自動同時通訳システムなどの機能向上を目指し、継続的な開発を行っていくと表明しています。インバウンド対応だけでなく、日本に在留する外国人への対応など、あらゆる場面に自動同時通訳技術を展開することで、多言語共生社会の実現に貢献していく姿勢です。TOPPANは、多言語サービス全体で、2028年までに関連受注を含め約20億円の売り上げを目指すという具体的な目標も掲げています。

この取り組みは、単なるビジネスチャンスの拡大に留まらず、日本が真に国際的な国として発展していく上で不可欠なインフラ整備の一環と言えるでしょう。言葉の壁が低くなることで、外国人旅行者はもちろん、日本で暮らす外国人も、より快適で質の高い生活を送れるようになるはずです。

まとめ:多言語共生社会の実現へ向けて

TOPPANが提供を開始する「UCDisplay® Air」は、設置スペースの問題を解決し、目線の高さで自然な多言語コミュニケーションを可能にする画期的なAI翻訳ディスプレイです。薄型化されたディスプレイと独自開発の設置器具により、コンビニエンスストアや駅の窓口、バスの乗降口など、これまで導入が難しかった場所でも気軽に多言語対応が可能になります。

NICTの国産逐次翻訳エンジンを活用した高精度な翻訳技術と、利用者の表情とテキストを同時に見られる透明ディスプレイの特性が融合することで、言葉が通じなくても心と心が通じ合う、より豊かなコミュニケーションが生まれることでしょう。TOPPANのこの新しい挑戦は、訪日外国人の増加が続く日本において、誰もが快適に過ごせる多言語共生社会の実現に向けた大きな一歩となるに違いありません。

詳細な情報については、TOPPANホールディングスのニュースリリースもご確認ください。

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