映像理解AIが現場のリスクを自律的に発見する新機能
株式会社ジザイエは、映像理解AIを活用した新しいリスク検知機能の提供を開始しました。この機能は、カメラの映像をAIが解析し、人や状況を自動的に検知することで、特に建設、製造、インフラなどの作業現場における安全管理を大きく進化させるものです。
これまでの安全管理では、広範囲にわたる現場の映像を常に人間の目で監視し続ける必要があり、見落としによる事故やトラブルのリスクが常に存在していました。また、現場で発生する危険は多種多様であり、一つ一つの状況に対応するAIアルゴリズムを個別に開発することは、時間とコストがかかる大きな課題でした。
ジザイエの新機能は、このような課題を解決するために開発されました。言葉で危険な状況を定義するだけで、AIが映像からその状況を自律的に発見できるため、現場の状況に合わせた柔軟かつ迅速なリスク対応が可能になります。これにより、遠隔からでもリアルタイムで現場の状況やリスクを把握できるようになり、安全管理の高度化と業務の改善に貢献します。

この画期的な機能は、ジザイエが提供する固定設置型ネットワークカメラ「JizaiEyes」のユーザー向けに提供されます。
AI映像検知機能の主な特徴を詳しく解説
ジザイエの映像理解AIによるリスク検知機能は、主に三つの大きな特徴を持っています。これらの特徴が、現場の安全管理をより賢く、より効率的にします。
1. 自然言語で検知対象を指定できる「カスタム検知」
この機能の最も革新的な点は、検知したい状況を「言葉(自然言語)」でAIに伝えることができる「カスタム検知」に対応していることです。専門的なAIの知識がなくても、現場の担当者が普段使っている言葉で「こんな状況を検知してほしい」と入力するだけで、AIがその指示を理解し、映像の中から該当する状況を発見します。
例えば、以下のような具体的な状況を文章で入力するだけで、AIが自動で検知を開始します。
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「重機への過剰な積載があったら教えてほしい」
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「車両の近くに人がいる場合、警告を出してほしい」
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「夜間に誰かが敷地内に侵入したら通知してほしい」
このように、現場の状況は常に変化し、予測不可能な事態も発生しますが、「カスタム検知」機能があれば、その都度AIモデルを開発することなく、柔軟に検知設定を変更できます。これにより、多様な現場のリスクに対して、迅速かつ網羅的に対応することが可能になります。

上の画像は、建設現場でAI監視システムが不安全行動を検知した例です。ショベルカーの作業範囲内に作業員が立ち入っている状況が「不安全行動」として認識され、アラートが表示されています。このように、AIが具体的な危険を言葉で定義された通りに検知し、安全確保を支援します。
2. すぐに使える「標準搭載の検知モデル」
「カスタム検知」の柔軟性に加えて、安全管理に直結する重要な検知モデルが標準で搭載されています。これにより、導入後すぐに基本的な安全管理を開始できます。
標準搭載されている検知モデルの例は以下の通りです。
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人数カウント: 特定のエリアにいる人数を自動で数えます。これにより、混雑状況の把握や、定員オーバーによるリスク管理に役立ちます。
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ヘルメット未着用検知: 作業現場で必須の安全装備であるヘルメットが着用されていない場合を検知し、作業員の安全意識向上や規則遵守を促します。
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侵入検知: 立ち入り禁止区域や営業時間外の敷地への侵入を検知し、セキュリティ強化に貢献します。
これらの標準モデルは、多くの現場で共通して求められる安全管理のニーズに応えるものです。今後も現場からのフィードバックやニーズに応じて、検知モデルの種類は順次拡張される予定です。

この画像は、建設現場における作業員の人数をモニタリングするシステムの画面です。「人数: 2」「人数: 1 人頭 ヘルメット」といった形で、AIが検知した人数やヘルメット着用状況がリアルタイムで表示されており、現場の状況を詳細に把握できることがわかります。
3. 検知結果の「通知」と「データ管理」で業務改善を促進
AIがリスクを検知した際には、その情報がリアルタイムで関係者に通知されます。これにより、危険な状況が発生した際に迅速な対応が可能となり、事故を未然に防ぐ確率が高まります。
さらに、検知された結果は専用の管理画面からいつでも確認でき、CSV形式でダウンロードすることも可能です。このデータは、単にアラートを受け取るだけでなく、以下のような形で業務改善や安全管理に活用できます。
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リスク傾向の分析: どのような状況で、いつ、どこでリスクが頻発しているのかをデータとして蓄積・分析することで、現場全体のリスク傾向を把握できます。これにより、より効果的な安全対策の立案や、作業プロセスの改善につなげられます。
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教育・研修への活用: 過去の検知データや映像は、作業員への安全教育や研修の具体的な事例として活用できます。実際の危険事例を見せることで、より実践的な安全意識の向上を促すことができます。
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コンプライアンスの強化: 検知履歴は、安全管理体制が適切に運用されていることの証拠となり、監査やコンプライアンスの強化にも役立ちます。
このように、検知されたデータは、単なる「結果」ではなく、未来の安全と効率を築くための貴重な「情報資産」となります。
ジザイエが目指す「現場OS」と今後の展開
ジザイエは、「すべての人が時空を超えて働ける世界へ」というミッションを掲げ、遠隔業務に必要な映像、操作、制御を統合した「現場OS」を提供しています。今回の映像理解AIによるリスク検知機能は、この「現場OS」を構成する重要な要素の一つです。
今後の展開として、ジザイエは検知対象のさらなる拡張やデータ分析機能の強化に取り組む予定です。さらに、AIによる状況把握だけでなく、遠隔操作基盤との連携を進めることで、AIがリスクを検知したら、その場で遠隔から対応を行う、といった一連の現場管理を一体化させることを目指しています。
これにより、AIが現場の状況を「見て」「理解し」、必要に応じて遠隔から「指示を出し」「操作する」という、より高度な現場管理が実現するでしょう。ジザイエは、「現場OS」を通じて、AIと遠隔操作を組み合わせた現場管理の高度化と安全性向上を継続的に支援していく方針です。
株式会社ジザイエについて
株式会社ジザイエは、2022年11月に設立された東京大学稲見研究室発のスタートアップ企業です。東京都千代田区に本社を置き、代表取締役CEOは中川 純希氏が務めています。
同社は、独自の映像圧縮伝送技術を強みとしており、通信環境が不安定な現場でも、高精細かつ低遅延の映像伝送を実現しています。この技術基盤の上に、以下の主要な製品・サービスを展開しています。
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固定設置型ネットワークカメラ「JizaiEyes」: 屋外での利用にも対応した、現場の広範囲を監視するためのカメラです。今回のAI映像検知機能は、この「JizaiEyes」のユーザー向けに提供されます。
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作業者視点のウェアラブルクラウドカメラ「JizaiHands」: 作業員が装着することで、その視点からの映像をリアルタイムで共有できるカメラです。これにより、遠隔地の専門家が現場の作業を直接見ながら指示を出すといった活用が可能です。
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遠隔操作基盤「JizaiBase」: 遠隔地から現場の機器やロボットなどを操作するための基盤技術です。
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統合ビューイングプラットフォーム「JIZAIPAD」: 複数のカメラ映像やセンサーデータなどを一元的に管理・表示し、現場の状況を統合的に把握するためのプラットフォームです。
これらの製品・サービスを組み合わせることで、映像取得から遠隔操作、機器制御までを一体化した産業向けの遠隔業務プラットフォームを提供しています。建設、製造、インフラ、さらには災害対応といった、物理的な制約が大きい現場において、距離や環境の壁を超えた新しい働き方や就労基盤の構築を目指しています。
ジザイエに関する詳細情報はこちらから確認できます。
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公式サイト: https://jizaie.co.jp/
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note: https://note.com/jizaie
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X(旧:Twitter): https://twitter.com/jizaie
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コーポレートムービー: https://youtu.be/cnRYRXzXdWI
まとめ:AIが拓く、より安全で効率的な現場管理の未来
ジザイエが提供を開始した「映像理解AIによるリスク検知機能」は、AIが言葉を理解し、映像から危険を自律的に発見するという、まさに未来の安全管理を実現する画期的なサービスです。AI初心者の方にとっても、自然言語で簡単に設定できる「カスタム検知」は、AIの可能性を身近に感じさせてくれるでしょう。
この機能は、従来の人の目に頼る監視体制の限界を克服し、現場の安全性を飛躍的に向上させるとともに、事故リスクの低減、業務効率の改善、そしてデータに基づいた継続的な安全対策の強化を可能にします。建設、製造、インフラといった多岐にわたる現場で、より安心・安全な作業環境を構築するための強力なツールとなることが期待されます。
AI技術の進化は、私たちの働き方や社会のあり方を大きく変えつつあります。ジザイエのこの新しい取り組みは、まさにその最前線を行くものであり、現場の安全管理における新たなスタンダードを築く可能性を秘めていると言えるでしょう。

