AIと”感性”が織りなす感動の物語:METREAのAI短編映画が「GMO DESIGN AWARD 2025」で2冠を達成
AI技術の進化が目覚ましい現代において、AIが単なる効率化ツールではなく、人間の心を深く揺さぶるアートや物語を生み出すパートナーとなり得ることを証明する快挙が達成されました。
METREA株式会社が制作したAI短編映画『誰にも祝われない夜に』が、GMOインターネットグループ株式会社が主催する「GMO DESIGN AWARD 2025」において、コンテスト最高賞である「最優秀賞」と、視覚表現の独創性を評価する「ビジュアルクリエイティブ賞」の2冠を達成しました。

この受賞は、AIと人間のクリエイティビティが融合することで、いかに深い感動と普遍的な美を表現できるかを示すものであり、今後のAIを活用したコンテンツ制作の新たな可能性を大きく広げるものです。
METREAが掲げる「心を震わせる美や物語」の哲学
METREA株式会社は、「心を震わせる美や物語を編み続ける。」という独自のミッションを掲げています。この哲学は、最先端のAI技術とクリエイターの豊かな感性を組み合わせることで、単なる技術的な成果に留まらない、人の心に響く作品を生み出すことを目指しています。
AIが急速に進化し、さまざまな分野で活用される中で、METREAはAIを単なる作業効率化の道具としてではなく、人間の創造性を拡張し、より深く、より感情豊かな表現を可能にする強力なパートナーとして捉えています。今回の受賞は、まさにこのビジョンが形になったものと言えるでしょう。

同社は「感性に敬意を、技術に誇りを。」という信念のもと、これからも普遍的な美を未来へと繋ぐ作品制作に情熱を注いでいくとしています。
受賞作品『誰にも祝われない夜に』の物語と背景
あらすじ:小さな出会いが照らす明日
AI短編映画『誰にも祝われない夜に』は、祝われない誕生日を迎える少女ナナと、子猫にミルクをあげたいと願う少年アオの出会いを描いた作品です。
灯りの消えた街で偶然出会った二人は、互いの孤独と痛みを分かち合います。そして、その一夜の出会いの中で交わされる「おめでとう」という言葉が、彼らにとっての小さな救いとなり、二人の明日をそっと照らしていく物語です。
作品URL: https://youtu.be/XLSxk7-830U
作品に込められたテーマ:自分を肯定する“おめでとう”
この作品は、「死にたくなる」「消えたくなる」といった、誰もが一度は経験するかもしれない心の痛みに焦点を当てています。その痛みは人それぞれで、どんなに小さな出来事でも、心には確かに傷が残ります。
物語の舞台は、戦争が始まる前夜という不安に満ちた世界。この設定は、外の世界の崩壊と、登場人物たちの心に抱える不安、そして現代社会の揺らぎを象徴しています。
祝われない誕生日を迎えた少女ナナと、戦場に向かう前に子猫にミルクをあげたい少年アオ。二人はそれぞれ深い痛みを抱えながらも、「変えたい」と願う心を失っていません。
壊れかけた街で灯されたケーキの火は、二人の悲しみを分け合うように優しく揺らぎ、やがて「自分を受け入れる」ための小さな光となります。この作品は、誰かや世界のためではなく、自分の命をもう一度肯定するための、静かな“おめでとう”の物語として描かれています。

デザインが生まれた背景:現代社会への問いかけ
作品のデザインとテーマは、現代社会への深い洞察から生まれています。
インターネットが普及し、情報が溢れる一方で、自分の力で何かを変えることの難しさや、誰かと比較して静かに孤独を抱える人が増えている現状があります。このような時代において、「おめでとう」という言葉が、他者を祝うためだけのものになっていることに、息苦しさを感じたことが制作のきっかけの一つとなりました。
「生まれてきた自分」に対してそっと「おめでとう」と語りかけることができれば、それが生きる力になるのではないかという問いかけが、この作品の根底に流れています。
戦争が始まる前夜という設定は、現代の不安定さや「いつ何が起きてもおかしくない」という感覚を重ね合わせた象徴です。どんな困難な状況であっても、人は小さな優しさや繋がりを通じて明日を変えられる。ナナとアオの物語は、この普遍的なメッセージを静かに、しかし力強く伝えています。
AIとクリエイターの感性が融合した制作プロセス
『誰にも祝われない夜に』は、最先端のAI技術と熟練したクリエイターの感性が見事に融合して制作されました。
AIを初めて知る方にも分かりやすく説明すると、この映画では様々な種類のAIツールが、それぞれの得意分野で活躍しています。
主な使用AIツールとその役割
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ベースAIツール(画像生成): StableDiffusion (AUTOMATIC1111), ComfyUI
- これらは、テキストや簡単な指示から、まるで写真のようなリアルな画像や、イラスト風の画像を生成するAIです。映画のビジュアルのベースとなる多くの素材が、これらのツールを使って生み出されました。
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機械学習(LoRA作成): FluxGym
- LoRA(Low-Rank Adaptation)とは、特定のスタイルやキャラクターをAIに学習させるための技術です。FluxGymのようなツールを使って、作品の世界観に合った独自のビジュアルスタイルやキャラクターの表情などをAIに覚え込ませることで、一貫性のある映像表現を実現しました。
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モデル(画像生成AI): Flux Dev, Flux Dev Krea, SDXL, Midjourney
- これらも様々なスタイルの画像を生成するAIモデルです。多様なモデルを使い分けることで、作品のシーンや感情に合わせた豊かなビジュアルを作り出しています。
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動画生成AI: Wan2.2, Wan2.5, Seedance pro, Kling2.5 turbo, Hailuo 02, Ray2
- 静止画だけでなく、動きのある映像そのものを生成するAIツールです。AIが生成した画像を元に、滑らかな動きやアニメーションを作り出し、映画としてのストーリー展開を可能にしました。
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音楽生成AI: Suno
- Sunoは、テキストの指示から自動的に音楽や歌を生成するAIです。映画の感情を伝える上で不可欠なBGMやサウンドトラックは、このAIによって生み出され、物語に深みを与えています。
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編集: AfterEffect, Davinci Resolve, Topaz AI
- AIが生成した素材を、人間の手で最終的に編集・調整する工程も非常に重要です。AfterEffectやDavinci Resolveといったプロの編集ソフトに加え、Topaz AIのようなAIを活用した画像・動画補正ツールも使用し、作品全体の品質を高めました。
このように、AIは単独で映画を制作するのではなく、クリエイターの指示や意図を汲み取り、その創造性を最大限に引き出すための強力な「筆」や「道具」として機能しています。AIが生成した素材を、人間の感性で選び、組み合わせ、編集することで、『誰にも祝われない夜に』のような、心を打つ作品が誕生したのです。
豪華な制作体制:AIと人間の協調
この作品は、AI技術だけでなく、各分野のプロフェッショナルが結集して制作されました。
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アオ役: 熊谷 俊輝氏
- TVアニメ『遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!』王道遊飛役など、数々の主人公を務める人気声優が参加。
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ナナ役: 藤寺 美徳氏
- TVアニメ『ひみつのアイプリ』青空ひまり役など、こちらも多くの作品で主演を務める実力派声優が起用されました。
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プロデューサー: 柳 明菜氏
- 映画『いなくなれ、群青』の監督を務めるなど、豊かな経験を持つプロデューサーが作品を統括。
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監督: 平田 茉莉花 (METREA inc. CEO / クリエイティブディレクター)
- METREAの代表であり、本作のクリエイティブディレクターとして全体を指揮。
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制作パートナー: ノアド株式会社
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キャスティング協力: エイベックス・ピクチャーズ株式会社
このように、AIによる生成技術を核としながらも、声優による感情豊かな演技、経験豊富なプロデューサーや監督のディレクション、そして専門企業の協力という、人間のクリエイティビティと技術が不可欠な要素として組み合わされています。この協調体制が、作品の質の高さを保証していると言えるでしょう。
監督 平田 茉莉花氏のコメント
本作の監督であり、METREA株式会社の代表取締役CEOである平田 茉莉花氏は、作品に込められた思いを次のように語っています。
「明日は、必ず来るものではない。痛みの理由は人それぞれで、誰の心にも瞬間にも訪れる。だからこそ、“おめでとう”を伝えたい。この短編映画は、そんな私たちすべてへの、小さな祈りです。今日を生きているみなさんへ——おめでとうございます。」
このコメントからは、作品が単なるエンターテインメントに留まらず、現代社会を生きるすべての人々への温かいメッセージであることが伝わってきます。AI技術を駆使しながらも、その根底には深い人間への洞察と優しさがあることがわかります。
「GMO DESIGN AWARD 2025」とは
「GMO DESIGN AWARD 2025」は、GMOインターネットグループ株式会社が主催する、デザインとクリエイティブの可能性を追求するコンテストです。

「“つくる”の可能性」をテーマに掲げ、AIの活用を含む多様な表現方法を対象としています。AI時代の「つながり」をテーマに、「プロダクトアイデア」と「映像・ビジュアル表現」の2部門で作品が募集されました。
METREAの『誰にも祝われない夜に』は、この「映像・ビジュアル表現」部門において、その革新性と表現力が高く評価され、栄えある2冠を達成しました。
参照URL: https://gmo-design-award.com/
METREA株式会社 会社概要
METREA株式会社は、クリエイティブAIを活用したコンテンツ制作と、AI制作ノウハウの内製化を支援するAIリスキリング研修事業を展開しています。
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会社名: METREA株式会社 (英語表記: METREA inc.)
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代表者: 代表取締役CEO 平田 茉莉花
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所在地: 〒160-023 東京都新宿区西新宿3丁目9-7 フロンティア新宿タワーオフィス325
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事業内容:
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クリエイティブAIを活用したコンテンツの受託制作
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AI制作ノウハウの内製化を支援するAIリスキリング研修事業
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公式URL: https://metrea.design/
同社は、今回の受賞を機に、AIと人間の創造性が融合する新たな時代のコンテンツ制作をさらに牽引していくことでしょう。
まとめ:AIが拓く感動の未来
METREA株式会社のAI短編映画『誰にも祝われない夜に』が「GMO DESIGN AWARD 2025」で最優秀賞とビジュアルクリエイティブ賞をW受賞したことは、AIが単なる技術的なツールではなく、人間の感情や深い物語を表現する芸術的なパートナーとなり得ることを明確に示しました。
AI初心者の方にもご理解いただけたように、この作品は様々なAIツールを駆使しつつも、その根底には人間のクリエイターの感性、哲学、そしてメッセージが深く息づいています。
AIの進化は、今後も私たちの想像を超えるスピードで進んでいくことでしょう。しかし、METREAが示したように、AIを「感性に敬意を、技術に誇りを。」持って活用することで、私たちはこれまで以上に豊かで、心を震わせるような新しい表現の世界を切り開くことができるはずです。今回の受賞は、その未来への確かな一歩と言えるでしょう。今後のMETREAの活動と、AIが織りなす新たな物語に、引き続き注目が集まります。

