FRONTEOのAI「KIBIT Amanogawa」が慶應義塾大学の難治がん研究に採用!医学論文探索AIが拓く新治療法開発の未来

FRONTEOのAI「KIBIT Amanogawa」が慶應義塾大学の難治がん研究に採用!医学論文探索AIが拓く新治療法開発の未来

医療分野におけるAIの活用が急速に進む中、株式会社FRONTEO(以下、FRONTEO)が開発した医学論文探索AIシステム「KIBIT Amanogawa(キビットアマノガワ)」が、慶應義塾大学薬学部 病態生理学講座の難治がん研究に採用されたことが発表されました。この画期的なAIシステムは、これまで治療が難しかったがん(難治がん)に対する新しい免疫治療法の開発を大きく加速させることが期待されています。

病気と闘うための新しい方法を見つける研究は、日々世界中で進められています。特に、既存の治療法では効果が出にくい「難治がん」の克服は、多くの患者さんにとって切実な願いです。しかし、医学論文は膨大な数に上り、その中から必要な情報を見つけ出すのは、専門家にとっても非常に時間と労力がかかる作業です。そこで、AIの力が注目されています。AIが大量の情報を素早く、そして効率的に分析することで、研究者はこれまで気づかなかった新しい発見やアイデアを得られる可能性が高まります。

今回のFRONTEOと慶應義塾大学の連携は、AIがどのようにして最先端の医学研究を支援し、未来の医療を形作っていくのかを示す重要な一歩と言えるでしょう。

慶應義塾大学が挑む難治がん研究の最前線

慶應義塾大学薬学部 病態生理学講座は、現在、既存の治療法ではなかなか効果が出にくい「難治がん」の克服を目指し、精力的な研究を進めています。難治がんとは、具体的には去勢抵抗性前立腺がんや多発性骨髄腫など、従来の免疫チェックポイント阻害薬1と呼ばれる治療薬が効果を示しにくいがんのことを指します。

1 免疫チェックポイント阻害薬:私たちの体には、病原体やがん細胞などの「異物」から身を守る「免疫」という機能があります。免疫細胞ががん細胞を攻撃するのを妨げる働きを持つのが「免疫チェックポイント」です。免疫チェックポイント阻害薬は、この免疫チェックポイントの働きを解除することで、免疫細胞ががん細胞を再び攻撃できるようにする医薬品です。

これらの難治がんに対する新しい治療法を開発するため、同講座では特に「新規免疫治療法」の研究に力を入れています。中でも注目されているのは、独自に見つけ出したがん細胞に多く現れる「抗原2」という目印に特異的な「T細胞受容体3」の遺伝子を使った「遺伝子改変T細胞療法4」の研究です。これは、患者さん自身の免疫細胞を遺伝子レベルで改変し、がん細胞をより効果的に攻撃できるようにする、非常に高度で挑戦的な治療法です。

2 抗原:体にとって異物と認識され、免疫反応を引き起こす物質のこと。がん細胞の表面に特徴的に現れるタンパク質なども含まれます。
3 T細胞受容体:免疫細胞の一種である「T細胞」の表面にある、異物を認識するためのセンサーのような役割を持つ分子です。
4 遺伝子改変T細胞療法:患者さんから採取したT細胞に、がん細胞を認識・攻撃する能力を高めるための遺伝子を導入し、増やしてから患者さんの体に戻す治療法です。

このような最先端の研究を進めるには、世界中で発表されている3,500万報以上もの膨大な医学論文の中から、関連する情報を網羅的に探し出し、まだ誰も気づいていない遺伝子や疾患の新しいつながりを見つけ出すことが不可欠です。しかし、これほど大量の論文を人間の手だけで読み込み、分析することは、事実上不可能に近い作業でした。

「KIBIT Amanogawa」とは?非連続的発見を実現するAIの仕組み

慶應義塾大学薬学部 病態生理学講座が、この情報探索の課題を解決するために着目したのが、FRONTEOの医学論文探索AIシステム「KIBIT Amanogawa」です。このAIシステムは、従来のキーワード検索や人手によるレビューでは決して到達できないような「非連続的発見」を実現できる点が、導入の決め手となりました。

非連続的発見とは?

「非連続的発見」とは、一見すると関連性のない情報同士を結びつけ、これまで誰も気づかなかった新しい法則や仮説を見つけ出すことです。従来の検索システムは、入力されたキーワードに直接関連する情報を効率よく探し出すのが得意ですが、キーワード同士の間に隠された、人間には見つけにくいような間接的なつながりを見つけるのは苦手でした。KIBIT Amanogawaは、FRONTEO独自の自然言語処理アルゴリズムを用いることで、この「間接的なつながり」をAI自身が見つけ出し、研究者の新たなひらめきをサポートします。

KIBIT Amanogawaの画期的な機能

KIBIT Amanogawaは、米国国立医学図書館 国立生物科学情報センターが提供する生物・医学領域の論文データベース「PubMed5」に掲載されている3,500万報以上もの論文データを活用します。この膨大なデータの中から、AIが関連性の高い情報を瞬時に検出・解析し、研究者に提示します。これにより、研究者は以下のようなメリットを享受できます。

5 PubMed:世界中の生物学や医学分野の論文情報を集めた、非常に大規模なデータベースです。無料で利用できます。詳細はこちらをご覧ください: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/

    • 論文探索の効率化: 膨大な論文を一つ一つ読む手間が大幅に削減されます。

    • 仮説生成の高度化: AIが提示する情報から、研究者はこれまで考えつかなかった新しい仮説を効率的に生み出すことができます。

    • 網羅的かつバイアスを排除した解析: 人間が行う情報探索では、どうしても個人の知識や経験に基づく「バイアス(偏り)」が生じがちですが、AIは客観的に全てのデータから情報を引き出すため、より網羅的で偏りのない解析が可能です。

慶應義塾大学薬学部 病態生理学講座の松下麻衣子教授は、「KIBIT Amanogawaに関するウェビナーを視聴する機会があり、従来の文献検索とは異なる仕組みで瞬時に遺伝子や現象に関する大量の情報が得られることに驚きました。研究室で行っているがん免疫研究に是非活用したいと考えています。また、株式会社FRONTEOの担当の方々の手厚いサポート体制も導入のきっかけになりました」とコメントされています。このコメントからも、KIBIT Amanogawaの情報の即時性と、それを支えるFRONTEOのサポート体制が、研究現場で高く評価されていることがわかります。

KIBIT Amanogawaについて、さらに詳しく知りたい方は、以下のリンクや動画をご覧ください。

AIが拓く新たな研究の地平:KIBIT Amanogawaがもたらす価値

KIBIT Amanogawaの導入は、慶應義塾大学の難治がん研究に計り知れない価値をもたらすと期待されています。このAIシステムは、単に情報を見つけるだけでなく、研究者の「ひらめき」を大きく広げ、新たな発見へと導く可能性を秘めているからです。

未知のつながりの発見と仮説生成

KIBIT Amanogawaは、まだ解明されていない遺伝子の機能や、これまで誰も気づかなかった疾患との新しいつながりを発見する能力を持っています。例えば、ある遺伝子が特定の疾患に影響を与える可能性を示唆する複数の論文があったとしても、その論文同士が直接的に結びついていない場合、人間が見つけるのは非常に困難です。しかし、AIはこれらの断片的な情報を統合し、新しい仮説を生成することができます。これにより、研究者はこれまでとは異なる視点から病気のメカニズムを理解し、全く新しい治療法のアイデアを生み出すことができるでしょう。

研究プロセスの変革

従来の医学研究では、研究者が自ら膨大な論文を読み込み、情報を整理し、仮説を立てるというプロセスが中心でした。このプロセスは非常に時間がかかり、また、研究者の個人的な知識や経験に左右される部分も少なくありませんでした。KIBIT Amanogawaは、このプロセスを根本から変革します。

    • 時間と労力の削減: AIが瞬時に必要な情報を抽出し、解析することで、研究者は論文探索にかかる時間を大幅に削減し、その分を実験や考察といったより創造的な活動に充てることができます。

    • 発想の拡大: AIが提示する多様な情報や仮説は、研究者の固定観念を打ち破り、発想の幅を大きく広げます。これにより、これまで行き詰まっていた研究課題に対しても、新しい突破口が見つかるかもしれません。

    • アンメット・メディカル・ニーズの解消: 「アンメット・メディカル・ニーズ6」とは、まだ有効な治療法が見つかっていない病気に対する、新しい治療薬や治療法へのニーズのことです。KIBIT AmanogawaのようなAIは、このアンメット・メディカル・ニーズに対応する新しい治療法の開発を加速させ、多くの患者さんの希望となる可能性があります。

6 アンメット・メディカル・ニーズ:まだ効果的な治療法がない病気や、既存の治療法では十分な効果が得られない病気に対して、新たな治療薬や治療法が求められている状態を指します。

FRONTEOの取締役/CSO(Chief Science Officer)豊柴博義氏も、「慶應義塾大学薬学部 病態生理学講座が挑戦されている難治がんに対する新規免疫治療法の研究は、極めてチャレンジングでありながら、国際的にも大きな意義を持つ取り組みだと考えています。そのような先進的な研究に当社の医学論文探索AIシステムKIBIT Amanogawaを導入いただけたことを、大変嬉しく思っております。KIBIT Amanogawaが研究の一助となり、アンメット・メディカル・ニーズに苦しむ患者のための新しい治療法の開発や、医学・薬学研究のさらなる発展につながることを心から願っております」と、今回の導入への期待を表明しています。

FRONTEOが描く未来:AI創薬と社会実装への貢献

FRONTEOは、今回の慶應義塾大学へのKIBIT Amanogawa導入を始め、AI創薬のリーディングカンパニーとして、自然言語処理に特化したAIの研究開発とその社会実装を通じて、革新的な医薬品の研究開発とアンメット・メディカル・ニーズの解消に貢献しています。FRONTEOは「日本を再び創薬の地へ」という理念を掲げ、医薬品産業を自動車や半導体に次ぐ基幹産業へと成長させ、薬を必要とするすべての人に適切に届けられる公平な世界の実現を目指しています。

FRONTEO独自のAI「KIBIT」の力

FRONTEOが開発する特化型AI「KIBIT(キビット)」は、一般的なAIとは異なる独自の強みを持っています。多くの汎用型AIが大量のデータ(教師データ)と高い計算能力に依存するのに対し、KIBITはFRONTEO独自の自然言語処理技術(日本・欧州・米国・韓国で特許取得済み)により、データ量やコンピューティングパワーに過度に依存することなく、高速かつ高精度な解析を可能にします。この技術は、専門家が持つ知識や経験をAIに学習させ、その判断を支援することに特化しています。

さらに、KIBITは解析した情報をマップ化(構造を可視化)する特許技術も持っています。これにより、AIが見つけ出した複雑な情報同士のつながりやパターンを、研究者が視覚的に理解しやすくなります。この視覚的な情報は、専門家の直感(インサイト)に直接働きかけ、新たな仮説の生成や意思決定を強力に支援します。近年では、このKIBITの技術が、まさに創薬における仮説生成や標的探索といった分野で活用され、具体的な成果を上げています。

FRONTEOの事業領域を示す図

FRONTEOは、KIBITの独自技術とアプローチを通じて、「記録に埋もれたリスクとチャンスを見逃さないソリューションを提供し、情報社会のフェアネスを実現する」という理念の下、多様な事業領域でAIの社会実装を推進しています。

FRONTEOの主な事業分野:

FRONTEOは2003年8月に創業し、2007年6月26日には東証マザーズ(現:東証グロース)に上場しています。日本、米国、韓国で事業を展開し、第一種医療機器製造販売業許可、管理医療機器販売業届出も取得しています。FRONTEOに関する詳細は、公式サイトをご覧ください: https://www.fronteo.com/

まとめ:AIと医学の協創がもたらす希望

FRONTEOの医学論文探索AIシステム「KIBIT Amanogawa」が慶應義塾大学薬学部 病態生理学講座の難治がん研究に採用されたことは、AIが最先端の医学研究において不可欠なツールとなりつつあることを明確に示しています。膨大な医学論文の中から、人間の目では見つけ出すことが困難な「非連続的発見」をAIが可能にすることで、難治がんに対する新しい免疫治療法の開発が大きく加速することでしょう。

この連携は、これまで治療が難しかった病気で苦しむ多くの患者さんにとって、新たな希望の光となるはずです。AIの力によって、研究者の発想はさらに広がり、より迅速かつ効率的に、画期的な治療法が発見される未来がきっと訪れるでしょう。FRONTEOと慶應義塾大学の協創が、医学・薬学研究のさらなる発展と、人々の健康と幸せに貢献していくことに、今後も大きな期待が寄せられます。

タイトルとURLをコピーしました