FPTと三島光産がAIで製造業の未来を拓く!次世代製造基盤構築で協業、日本の人材不足とAI導入の遅れに挑む
日本の製造業は今、大きな変革期を迎えています。特に深刻なのが、労働力不足とデジタル技術、とりわけAI(人工知能)の導入の遅れです。こうした課題を乗り越え、持続可能な産業基盤を築くために、ITサービス大手のFPTと、製造現場の豊富な知見を持つ三島光産が手を組みました。
両社は、AI・クラウド・ロボティクス技術を駆使した次世代製造基盤の共同開発とグローバル展開に向けた基本合意書を締結し、協業を本格的に始動することを発表しました。この提携は、これまで両社が協力して進めてきた「MK Solution Cloud」や「AI Mentor」といったプロジェクトをさらに発展させ、製造業におけるAI活用の価値を大きく高めることを目的としています。

なぜ今、製造業にAIが必要なのか?日本の深刻な課題と協業の背景
日本の製造業界は、長年にわたりその技術力と品質で世界をリードしてきました。しかし、近年はいくつかの深刻な課題に直面しています。最も喫緊の課題の一つが、労働力不足です。
リクルートワークス研究所の『未来予測2040 労働供給制約社会』によると、2040年までに日本の労働力は約1,100万人も不足すると予測されています。これは、製造業にとっても他人事ではありません。少子高齢化が進む中で、熟練技術者の引退や若年層の入職者減少は、現場のノウハウ継承や生産性維持に大きな影を落としています。
- 参考資料:リクルートワークス研究所『未来予測2040 労働供給制約社会』
https://recruit-holdings.com/ja/blog/post_20230926_0001/
また、デジタル技術、特にAIの導入においても、日本は先進国の中で遅れをとっている現状があります。総務省が2024年に発表した「情報通信白書」では、日本のAI導入率が依然として低水準であることが示されています。これは、現場での作業が特定の個人に依存してしまう「属人化」や、制御システムの開発、そして人材育成における非効率性が、イノベーションを阻む要因となっているためです。
- 参考資料:総務省2024年版「情報通信白書」
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r06/pdf/n1510000.pdf
このような状況を打開し、日本の製造業が再び国際競争力を高めるためには、AI・クラウド・ロボティクスといった先進技術の積極的な活用が不可欠です。三島光産が長年培ってきた製造現場の深い知見と、FPTの最先端AI・クラウド技術を融合させることで、持続可能な産業基盤の構築と、より安全でスマートな製造現場の実現を目指すのが、今回の協業の大きな目的です。
FPTと三島光産が描く次世代製造基盤の全体像
今回の戦略的提携では、FPTのAI基盤「FPT AI Infrastructure」と三島光産のクラウド型産業プラットフォーム「MK Solution Cloud」を連携させ、製造現場で使われる様々なデジタルツールを統合します。これにより、ローカル環境でのシステム構築が不要となり、多様なアプリケーションを一元的に運用できる、柔軟でアクセスしやすい次世代製造基盤が実現すると期待されています。
1. FPT AI Infrastructureの活用:グローバルなAI基盤と現場知見のシステム化
FPTが提供する「FPT AI Infrastructure」は、AI開発と運用を効率化するための包括的なプラットフォームです。この基盤を今回の協業で活用することで、グローバル規模でのAI基盤構築を推進します。具体的には、製造現場で蓄積されてきた職人の「勘」や「経験」といった貴重な知見を、AIが学習可能なデータとして高度にシステム化し、活用します。
例えば、AIが効果的に機能するためのプロンプト(指示)設計や、AIが効率よく学習するためのフロー整備など、実践的なAIの育成・活用モデルを確立することで、現場の課題解決に直結するAIの導入を目指します。これにより、AIが単なるツールに留まらず、現場の「賢いパートナー」として機能する未来が期待されます。
2. MK Solution Cloudの開発・運用:属人性を排除した制御システム開発
「MK Solution Cloud」は、三島光産が持つ製造現場のノウハウをクラウド上で展開する産業プラットフォームです。今回の協業では、この「MK Solution Cloud」の開発と運用をさらに強化します。特に注目されるのは、AIを活用して制御システム開発における「属人性」を排除する点です。
これまでの制御システム開発では、特定のエンジニアにしか分からない部分が多く、その人がいなくなると開発が滞る、あるいは品質が不安定になるという問題がありました。しかし、クラウド環境での協調開発とAIの活用により、開発プロセスを標準化し、誰でも開発資産を再利用できる仕組みを構築します。これにより、開発効率が大幅に向上し、現場の生産性も高まります。例えば、新しい設備の導入や既存設備の改修がより迅速かつ安定して行えるようになるでしょう。
3. AI Mentorによる人材育成:OJTからの脱却と即戦力化
製造業における人材育成は、長らくOJT(On-the-Job Training:実地訓練)が主流でした。しかし、OJTは教える人のスキルや経験に依存しやすく、教育内容のばらつきや習熟までの時間の長さが課題とされてきました。そこで登場するのが、AIを活用した「AI Mentor」です。
「AI Mentor」は、教育内容の標準化、効率化、そして多言語対応を可能にすることで、従来のOJT型人材育成から脱却した新しい育成モデルを構築します。AIが学習プロセスを最適化し、個々の学習者の進捗や理解度に合わせてカスタマイズされた指導を提供することで、短期間で即戦力となる人材を育成できるようになります。これにより、製造現場全体のスキルレベルが底上げされ、人材不足の解消にも貢献すると期待されています。
今後の展開と関係者のコメント
このFPTと三島光産の協業は、制御システム開発や人材育成における生産性の向上、標準化、効率化といった具体的な成果をもたらすことが期待されています。さらに、データの活用環境を整備し、現場起点でのAI実装と運用文化を定着させることで、グローバル市場での展開とブランド確立も視野に入れています。
両社は、今後、国内外の製造現場へのソリューション展開を加速させ、持続可能な産業基盤の構築に貢献していく方針です。この大きな一歩に対し、両社の代表者からも強い意気込みが語られています。
三島光産株式会社 代表取締役社長 三島 秀夫氏のコメント
「FPTの先進的なIT・AI技術を活用し、製造業の現場における教育時間の短縮や、ロボット導入および電気エンジニアリング開発の大幅効率化を実現し、業界の中で先進的なポジションを目指します。今後もFPTとともに挑戦を続け、変化に翻弄されるのではなく、私たち自身が変化を創り出す存在となるべく、全力で取り組んでまいります。」
FPTソフトウェアジャパン 代表取締役社長 兼 FPTソフトウェア シニアエグゼクティブバイスプレジデント ド・ヴァン・カック(Do Van Khac)氏(FPTグループ)のコメント
「日本の製造業は、AI主導のイノベーションが生産性向上と競争力強化の鍵となる重要な局面にあります。FPTは、日本市場で長年培ってきた経験を活かし、この変革を推進することにコミットしています。今回の提携で、長年日本の製造業を支えてきた三島光産の知見と、FPTの先進的なAI、クラウド、エンジニアリングを融合し、企業の迅速な近代化を支援し、よりスマートで持続可能な次世代産業への進化に貢献してまいります。」
これらのコメントからは、両社が日本の製造業が直面する課題に対し、AIとデジタル技術で積極的に挑戦し、業界全体の変革をリードしていこうとする強い意志が感じられます。この協業が、日本の製造業の未来を明るく照らす一助となるでしょう。
FPTと三島光産について
三島光産株式会社
本社所在地:福岡県北九州市八幡東区枝光二丁目1番15号
ウェブサイト:https://www.mishimakosan.com/
三島光産は、鉄鋼、化学から液晶、半導体、自動車、医療、宇宙に至るまで、幅広い事業領域を持つ企業です。高度な技術と技術者を擁し、国内外に多くのグループ会社を持つ中堅企業へと成長しています。変化に柔軟に対応しつつ、技術開発に挑戦し続けることで、顧客との信頼関係を深めています。
FPTソフトウェアジャパン株式会社
本社所在地:東京都港区三田三丁目5番19号 住友不動産東京三田ガーデンタワー33階
ウェブサイト:https://fptsoftware.jp/about-us/fpt-software-japan
FPTソフトウェアジャパンは、ベトナムのICT(情報通信技術)リーディングカンパニーであるFPTグループの日本法人、FPTジャパンホールディングス株式会社の子会社です。コンサルティングから開発、運用保守まで、一貫したエンドツーエンドサービスを提供しています。ベトナムの豊富なリソース、多様な先進技術、そして世界標準の開発プロセスを強みとして、競争力のある価格と高品質を両立させた付加価値の高いサービスを提供しています。
まとめ:AIが拓く日本の製造業の新たな可能性
FPTと三島光産の協業は、日本の製造業が抱える根深い課題に対し、AIという強力なツールで具体的な解決策を提示しようとする画期的な取り組みです。労働力不足やAI導入の遅れといった課題は一朝一夕には解決できませんが、今回の協業で開発される次世代製造基盤は、これらの課題を根本から変え、製造現場の生産性を飛躍的に向上させる可能性を秘めています。
「FPT AI Infrastructure」によるグローバルAI基盤の構築、「MK Solution Cloud」による属人性を排除した制御システム開発、そして「AI Mentor」による効率的かつ標準化された人材育成。これらの取り組みが連携することで、日本の製造業はよりスマートで、より持続可能な未来へと進化していくことが期待されます。この協業の進展が、今後の日本の産業界にどのような影響をもたらすか、注目していく必要があるでしょう。

