日本の未来を拓く!ディープテックスタートアップ集結「Japan Deep Tech Night」で茨城・千葉・愛知・北海道の革新技術を徹底解説

はじめに:ディープテックが描く未来とは?

現代社会が抱える地球規模の課題、例えば気候変動、食料不足、高齢化社会などは、既存の技術だけでは解決が難しいものばかりです。そこで注目されているのが「ディープテック」と呼ばれる分野です。ディープテックとは、大学や研究機関で生まれた画期的な科学的発見や、これまでにない深い技術(Deep Technology)を基盤とした技術革新のことです。これらは、社会に大きなインパクトを与え、根本的な課題解決を目指す可能性を秘めています。

このようなディープテック分野のスタートアップを支援し、その成長を加速させることを目的とした一大イベント「Japan Deep Tech Night」が、2026年2月16日に開催されます。本イベントでは、茨城県、千葉県、愛知県、STARTUP HOKKAIDO実行委員会、農林水産省、そしてCICの6団体が協力し、日本の未来を切り拓くディープテックスタートアップが一堂に会します。AI初心者の方にも分かりやすいように、各地域の支援事業と、そこで発表される革新的な技術とその社会実装への挑戦について、詳しくご紹介します。

Japan Deep Tech Nightのイベントポスター

「Japan Deep Tech Night」開催概要

このイベントは、ディープテックの振興と社会実装について、登壇者と参加者が共に考え、意見を交わす貴重な機会となります。

  • 日時: 2026年2月16日(月) 15:45 – 21:00

  • 場所: 現地及びオンラインのハイブリッド形式

    • 現地会場: CIC Tokyo(東京都港区虎ノ門1丁目17-1 虎ノ門ヒルズビジネスタワー 15階 Venture Café Space 及び セミナールーム NIJI)
  • 主催: 茨城県・千葉県・愛知県・STARTUP HOKKAIDO実行委員会・農林水産省・CIC

  • 参加費: 無料

イベント告知ページはこちらから詳細を確認できます。
Japan Deep Tech Night

日本の地域から生まれるイノベーション:各セッションを深掘り

Session 1: Pitch from Hokkaido 〜「HOKKAIDO Next Frontier Program – Space / Agri&Food」支援企業ピッチ〜

北海道は、スタートアップ支援に積極的に取り組む地方自治体として、地域発のイノベーションと産業振興を推進しています。本セッションでは、STARTUP HOKKAIDO事務局が北海道・札幌のスタートアップ支援事業を紹介します。さらに、2025年度「ベンチャー企業成長促進事業(成長プログラム)」に採択された企業による実証的なピッチが予定されています。

Session 2: Pitch from Aichi 〜2025年度愛知県ディープテック推進事業「Aichi Deeptech Launchpad」支援企業ピッチ〜

愛知県は、日本の製造業の中心地であり、新たな技術革新への期待も高まっています。本セッションでは、愛知県経済産業局顧問の柴山政明氏が、愛知県のスタートアップ支援事業についてプレゼンテーションを行います。また、2025年度 愛知県「Aichi Deeptech Launchpad(ディープテック支援プログラム)」の採択企業が、その事業概要をピッチします。

この「Aichi Deeptech Launchpad」は、主にプレシード期(事業アイデア段階)やシード期(事業立ち上げ段階)のディープテックスタートアップを対象に、メンタリング、マッチング、経営スキル研修など、総合的な成長サポートを提供するプログラムです。さらに、総額8,000万円(上限4,000万円/社)の研究開発経費を支給するなど、ディープテックスタートアップの成長を強力に支援することを目的としています。

愛知県から登壇予定の企業は以下の通りです。

株式会社IZANA

株式会社IZANAのロゴ

名古屋大学発のスタートアップである株式会社IZANAは、独自の「超高感度磁気センシング技術」を強みとしています。同社は、製造業における異物検知システムの開発を目指しており、愛知県内の工場などで実環境下での超高感度磁気センシングを実施し、その実現可能性を調査しています。この技術により、従来では検知が困難だった微小な異物の発見が可能となり、製造事業者が異物混入によって抱える事業リスクの低減に貢献する新たなソリューションの実現を目指しています。

FiberCraze株式会社

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岐阜大学発のFiberCraze株式会社は、環境性と高機能性を両立するナノ多孔素材「Craze-tex®」を開発しています。この素材は、製造過程でCO₂と水を7割以上削減できるポテンシャルを持ち、さらに薬剤保持量は従来の4倍を超え、防虫や抗菌などの高い機能性を付与することが可能です。同社は、この革新的な素材の量産化に向けた試作体制の確保と、サステナビリティ性の向上を推進しています。繊維の尾州産地が誇る伝統的なものづくり技術と先端学術研究を融合させ、世界課題を解決する次世代素材の開発に挑んでいます。

株式会社INOMER

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株式会社INOMERは、身体の動きや使い方に着目し、正しい歩行の習得をサポートする「着るロボット」を提供しています。歩行リハビリテーションのDX化(デジタルトランスフォーメーション)を進めながら、まずは片まひ患者の歩行リハビリを行う理学療法士向け、そして患者個人向けにサービスを提供し、将来的にはシニア層向けにも順次展開していく計画です。本プログラムでは、第一フェーズとして、片まひ患者の歩行リハビリテーション用股関節ロボット装具の開発と社会実装を進めます。

株式会社Craftide

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名古屋大学の植物ペプチドホルモン研究とペプチド合成技術を融合した「ペプチドファーミング」を開発する株式会社Craftideは、植物の力を引き出し、幅広い農業課題の解決を目指しています。従来の化学農薬と比較して、ペプチドは環境に蓄積せず自然分解されてアミノ酸になるため、環境負荷が低いという特徴があります。また、極めて低い濃度(従来の1/100〜1/1000)で効果を発揮します。同社は農業資材メーカーとのB2B連携を通じて、持続可能な農業ソリューションを提供していきます。

Session 3: Deep Tech Roundtable

本イベントでは、ディープテック分野の専門的な知見を持つスピーカーを招き、パネルディスカッション形式で議論を深める「Deep Tech Roundtable」も開催されます。ディープテックの未来や社会実装における課題、そして可能性について、多角的な視点から意見が交わされる予定です。詳細はイベント告知ページにて順次更新されますので、ご注目ください。

Session 4: Pitch from Chiba 〜2025年度千葉県「革新的ベンチャー企業成長促進プログラム」支援企業ピッチ〜

千葉県もまた、スタートアップ支援に力を入れています。本セッションでは、千葉県商工労働部産業振興課ベンチャー振興班の佐藤悠里江氏が、千葉県のスタートアップ支援事業について紹介します。そして、2025年度千葉県「革新的ベンチャー企業成長促進プログラム」に採択された企業が、その事業概要をピッチします。

千葉県から登壇予定の企業は以下の通りです。

EyeVita

EyeVitaのロゴ

EyeVitaは、誰でも簡単に使える小型眼底カメラと診断支援AIを開発している医療機器スタートアップです。眼科医不足による失明リスクの軽減を目指し、無散瞳(瞳孔を開く薬を使わない)で高画質撮影が可能な光学系と、動画から最適な画像を抽出するAIを搭載した低価格ソリューションを提供します。内科など他科でも眼底検査と診断支援が可能になることで、より多くの患者が早期に診断を受けられるようになります。眼疾患だけでなく、認知症など全身疾患の診断支援への応用も視野に入れ、国内外での展開を計画しています。

LiSTie株式会社

LiSTie株式会社のロゴ

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(QST)認定ベンチャーであるLiSTie株式会社は、世界初の「超高純度リチウム回収技術LiSMIC」を開発しています。この技術により、リチウムの安定供給と資源循環を社会に実装し、電気自動車(EV)社会のさらなる成長や、核融合炉の早期実現に貢献することを目指しています。本プログラムを通じて、経営や事業開発に関する高度な専門的知見を得て、塩湖や鉱石からの資源回収、使用済みリチウムイオン電池のリサイクルなど、社会および技術的な課題の解決を図ります。

株式会社Type-I Technologies

株式会社Type-I Technologiesのロゴ

株式会社Type-I Technologiesは、「ナノ量子センサー」を活用し、認知症や癌など様々な疾患の兆候を超早期に捉える「超高感度リキッドバイオプシーシステム」の開発に取り組んでいます。その他にも、新規ナノ量子センサーや計測システムの開発など、次世代(量子)技術で健康長寿社会や人々のWell-being(幸福な状態)の実現に貢献することを目指しています。本プログラムでは、資金調達および役員候補者の採用を目標としたサポートを求めています。

Session 5: Pitch from Ibaraki 〜2025年度茨城県「ベンチャー企業成長促進事業(成長プログラム)」支援企業ピッチ〜

茨城県は、地域の産業振興とイノベーション創出のため、ディープテックや先端技術ベンチャーの育成に注力しています。本セッションでは、茨城県技術革新課の根本慶太郎氏が茨城県によるスタートアップ支援施策を紹介します。また、農林水産省大臣官房新事業・食品産業部新事業・国際グループ係長の上野未菜子氏が、農林水産省のスタートアップ支援事業について紹介します。

そして、2025年度茨城県「ベンチャー企業成長促進事業(成長プログラム)」において新たに採択された企業による事業ピッチを通じて、茨城発スタートアップの最新動向が発信されます。

茨城県から登壇予定の企業は以下の通りです。

株式会社AirMembrane

株式会社AirMembraneのロゴ

産業技術総合研究所(AIST)発のスタートアップである株式会社AirMembraneは、夢の材料と呼ばれる「グラフェン」の工業化に挑戦しています。グラフェンは、非常に薄く、強く、電気伝導性にも優れる画期的な素材であり、あらゆる製品や産業の基盤となる素材の進化を実現し、社会に新たな価値を創出することを目指しています。

株式会社クォンタムフラワーズ&フーズ

株式会社クォンタムフラワーズ&フーズのロゴ

株式会社クォンタムフラワーズ&フーズは、量子技術とバイオテクノロジーを融合した「中性子線育種技術」により、生物資源の開発を支援するディープテック企業です。中性子線の特性を活かした革新的な技術とノウハウを通じて、植物や微生物の有用な品種を、遺伝子組み換えを行わないNon-GMOかつスピーディーに開発する手法を提供しています。同社は農林水産省の「Global Foodtech Expansion Program」にも採択されており、グローバル市場でのフードテック関連事業展開を目指しています。

株式会社NanoChemix

株式会社NanoChemixのロゴ

株式会社NanoChemixは、光学樹脂用ナノ粒子添加剤「OPTITE」を開発する素材系スタートアップです。独自の合成・表面設計技術により、有機マトリクスへナノ粒子を均一に分散させることに成功し、透明性を損なうことなく屈折率を向上させることが可能です。この技術は、次世代ディスプレイやAR(拡張現実)レンズなど、高付加価値製品へ革新的な機能を提供し、国内外企業との共同開発を通じて成長を目指しています。

BioPhenolics株式会社

BioPhenolics株式会社のロゴ

筑波大学発のBioPhenolics株式会社は、脱炭素社会の実現に向けて、バイオマス(植物)を原料として改良型微生物を用いた発酵法により、石油を用いずにバイオ化学品を生産する技術を開発しています。本事業では、茨城県の未利用資源を活用したバイオ化学品生産と、地域に根差した循環型社会の小規模モデルの実証を行います。これは、地球環境保護に大きく貢献する取り組みと言えるでしょう。

株式会社野生動物医科学ラボラトリー

株式会社野生動物医科学ラボラトリーのロゴ

国立環境研究所(NIES)発の株式会社野生動物医科学ラボラトリーは、野生動物の疾病検査と医科学技術の開発を専門とする企業です。特に鳥インフルエンザの迅速検出技術に強みを持ち、絶滅危惧種の保全支援にも取り組んでいます。これらの活動を通じて、野生動物と人間が共生できる社会の実現に貢献することを目指しています。

ディープテックエコシステムを支える運営団体

「Japan Deep Tech Night」の開催は、多くの支援団体の協力によって実現します。これらの団体は、日本のディープテック分野の発展に不可欠な役割を担っています。

CIC Institute

CIC Instituteのロゴ

CIC Instituteは、イノベーションエコシステムの構築や、スタートアップ、特にディープテック関連スタートアップの支援に関する知見を活かし、政府や地方自治体、大学などと連携して、グローバルに成功できるスタートアップの成長支援やエコシステム構築業務を担うチームです。多くの行政機関や大学関連のプロジェクトを遂行し、イノベーションを通じた経済発展に貢献しています。

株式会社つくば研究支援センター

株式会社つくば研究支援センターのロゴ

つくば研究支援センターは、筑波研究学園都市に位置し、県内の大学・研究機関、支援機関と強固な信頼関係で結ばれたディープテック・インキュベーターです。1988年に設立されて以来、スタートアップの創出・育成や新事業の創出、地域企業の事業革新を支援し、地域の活性化を図ることを目的として活動しています。つくばの大学や国立研究機関の研究成果を社会実装するスタートアップ約120社が入居しており、30年以上にわたり創業支援・事業成長支援に取り組んできました。

フォースタートアップス株式会社

フォースタートアップス株式会社のロゴ

フォースタートアップス株式会社は、「(共に)進化の中心へ」というミッションを掲げ、インターネット/IoTセクターをはじめ、ディープテックなどのリアルビジネス領域も含めた起業支援と転職支援を中核とした成長産業支援事業を推進しています。国内の有力ベンチャーキャピタルと連携したスタートアップ・ベンチャー企業への戦略的資金支援や、成長産業領域に特化した情報プラットフォーム「STARTUP DB(スタートアップデータベース)」の運用、大企業や行政との共創モデルによる産業エコシステム強化にも取り組んでいます。

株式会社リバネス

株式会社リバネスのロゴ

株式会社リバネスは、「科学技術の発展と地球貢献を実現する」というビジョンを掲げ、2002年に理工系の大学院生のみで設立されました。教育・人材・研究・創業の開発事業を通じて、異分野の多様な知識を掘り起こし、それらの知識を組み合わせて地球上の課題解決に資する新たなプロジェクトや事業を生み出す「知識製造業」を営んでいます。日本と東南アジアにおいて、アジア最大のディープテックエコシステム「TECH PLANTER」や、ディープイシュー(深い課題)の解決に取り組むリーダーを育成する「リバネスユニバーシティー」などを展開しています。

まとめ:日本のディープテックが世界を変える

「Japan Deep Tech Night」は、日本のディープテック分野が持つ計り知れない可能性と、それを支える地域や国の強力な支援体制を浮き彫りにするイベントです。茨城、千葉、愛知、北海道といった各地域から生まれた革新的な技術を持つスタートアップは、素材開発から医療、農業、環境、エネルギーといった多岐にわたる分野で、社会が直面する困難な課題に挑戦しています。

これらのディープテック企業が生み出す技術は、単なるビジネスの成長に留まらず、私たちの生活を豊かにし、持続可能な社会を築くための鍵となるでしょう。イベントを通じて、起業家、投資家、研究者、支援者など、多様な人々が交流し、新たな連携が生まれることで、日本のディープテックエコシステムはさらに活性化し、世界を舞台にその存在感を示すことになるはずです。日本の未来を創造するディープテックの動向に、今後もぜひ注目していきましょう。

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