ブリングアウト、新VP of AIに水谷享平氏が就任

株式会社ブリングアウトは、2025年11月1日付けで、水谷享平氏が新たにVP of AI(Vice President of Artificial Intelligence)に就任したことを発表しました。この人事は、同社が推進する「対話データ×生成AI」による経営変革をさらに加速させ、新たな価値創造を目指す上で重要な意味を持ちます。
AIと経営変革の最前線で活躍する水谷享平氏
ブリングアウトの新VP of AIに就任した水谷享平氏は、AI(人工知能)とテクノロジー分野で豊富な経験を持つ人物です。彼のこれまでのキャリアは、多岐にわたる分野での実践的な知見を示しています。

水谷氏は東京大学大学院工学系研究科を修了後、世界的なテクノロジー企業であるGoogleに入社しました。Googleでは、オンライン広告の技術営業や、モバイルアプリ開発者向けの技術コンサルタントとして活躍し、最先端の技術をビジネスに応用する経験を積みました。
その後、株式会社STYLYに執行役員として参画。STYLYはXR(クロスリアリティ:VRやARなどの総称)プラットフォーム事業を展開しており、水谷氏はそこでプロダクトマネジメント、経営企画、人事、さらには上場準備といった幅広い業務を統括しました。この経験を通じて、XRプラットフォーム事業の拡大と会社の成長を牽引し、テクノロジーとビジネスの両面でリーダーシップを発揮しました。
さらに、テンストレントジャパンでの事業開発担当や、事業構想大学院大学の客員教授も務めています。これらの経験から、AI、XR、そして組織変革という三つの領域を横断する実践的な知見を持っていることが分かります。彼のキャリアは、単に技術を理解するだけでなく、それを社会やビジネスにどのように実装し、変革をもたらすかという視点に基づいています。
水谷氏が語る「対話データ×生成AI」の未来とミッション
水谷氏はVP of AI就任にあたり、自身のAIに対する考え方と、ブリングアウトでの具体的なミッションについてコメントを寄せています。
AIは「人の思考や意思決定を拡張する、新しい知的基盤」
水谷氏はAIを単なる便利なツールとは考えていません。彼にとってAIは、「人の思考や意思決定を拡張する、新しい知的基盤」であると述べています。これは、AIが人間の能力を補い、さらに高める可能性を秘めているという深い洞察を示しています。AIが私たちの「考える」という行為や「決める」というプロセスを、より高度で効率的なものに変える力を持っている、ということです。
しかし、この知的基盤をビジネスの現場で真に活躍させるためには、適切な「コンテキスト」を与えることが不可欠であると強調しています。コンテキストとは、情報や状況の背景にある意味合いや文脈のことです。AIが単なるデータ処理装置に終わらず、本当に役立つ存在となるためには、その情報がどのような状況で生まれ、どのような意味を持つのかを理解させる必要があるのです。
ブリングアウトの「対話データ」が持つ独自の価値
ここで、ブリングアウトが持つ「対話データ」という独自の資産が重要になります。対話データとは、会議の議事録、顧客との会話記録、社内コミュニケーションなど、人と組織の間で交わされるリアルな会話の記録のことです。
水谷氏は、この対話データが「人と組織のリアルな意思を構造化できる、非常に豊かなコンテキストデータ」であると評価しています。通常、会話は「非構造データ」と呼ばれ、そのままではAIが理解しにくい膨大な情報量を持っています。これを適切に処理し、AIが理解できる形に「構造化」することで、AIは真に社会を変革するための重要な要素となる、と水谷氏は考えています。
具体的な三つのミッション
水谷氏は、対話データを起点とした新たな価値創造の方向性を明確にし、それをプロダクトや事業として具体的に「形にしていく」ことが自身のミッションであると語っています。そのために、以下の3つの具体的な取り組みを進めるとしています。
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対話データを活用した新たな価値創出の方向性とロードマップの提示
- どのような対話データが、どのようなビジネス価値を生み出すのか。その可能性を探り、具体的な実現に向けた計画(ロードマップ)を策定します。例えば、営業会議の対話データから顧客ニーズを抽出し、新製品開発に活かす、といった具体的な方向性を描くことになります。
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市場仮説・初期ビジネス検証の完了とその兆しの確認
- 提案した価値創造の方向性が、実際に市場で受け入れられるのかどうかを検証します。小規模な試み(初期ビジネス検証)を通じて、その仮説が正しいかどうか、そして成功の兆しがあるかどうかを確認していきます。
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PoC水準のプロダクト開発、量産・デリバリー体制構築、初期ユーザー獲得
- PoC(Proof of Concept:概念実証)とは、新しいアイデアや技術が実現可能かどうかを検証する段階のことです。この段階で実際に動くプロダクトを開発し、その後の本格的な提供(量産・デリバリー)に向けた体制を整えます。そして、初期の段階で協力してくれるユーザーを獲得し、フィードバックを得ながら改善を進めていきます。
AIと共に思考する新しい文化
生成AIの進化は、人の創造性や組織の意思決定のあり方を根本から変えようとしています。水谷氏は、これからはAIを単に活用するだけでなく、AIと「共に思考し、問いを深める」という新しい文化をブリングアウトから社会に広げていきたいと述べています。これは、人間とAIが協力し、より高度な問題解決や価値創造を目指す未来像を示唆しています。
VP of AI就任がブリングアウトにもたらす変革
今回の水谷氏のVP of AI就任は、ブリングアウトの事業戦略において非常に重要な意味を持っています。
「対話をデータ化して経営を変革する」ブリングアウト
ブリングアウトは、「対話をデータ化して経営を変革する」ことをミッションに掲げ、生成AIと自然言語解析を組み合わせた独自のソフトウェアを提供している企業です。彼らのサービスは、企業内のあらゆる対話データを分析し、そこから経営に役立つ洞察を引き出すことを目指しています。
生成AIの目覚ましい進化に伴い、企業がAIを前提とした意思決定を行う時代が到来しています。もはやAIは単なる補助ツールではなく、経営の根幹を担う存在になりつつあります。このような状況の中で、ブリングアウトは経営、組織、顧客体験のすべてをAIとデータで再設計する「AIトランスフォーメーション(AX)」のフェーズに入っています。
水谷氏の知見とリーダーシップへの期待
水谷氏は、GoogleやSTYLYといったテクノロジーとクリエイティブの交差点で活躍してきた実践者であり、ビジネス、テクノロジー、組織変革を横断してAIを社会に実装する知見を有しています。この幅広い経験と深い知見こそが、ブリングアウトがAXを推進する上で不可欠な要素となります。
ブリングアウトは今後、水谷氏のリーダーシップのもとで、「対話データ×生成AI」を活用した新たな価値創出モデルの開発を加速していく方針です。彼の就任により、ブリングアウトの技術開発力とビジネス展開力が一層強化されることが期待されます。
代表取締役 中野慧氏のコメント
代表取締役社長の中野慧氏も、水谷氏の就任を心から歓迎し、大きな期待を寄せています。
中野氏は、「ブリングアウトはこれまで、『会話や対話の中にある“意思のデータ”を活かす』ことに注力してきました。これからは、生成AIを活用してそのデータを価値に転換し、企業が“考え、決め、動く”プロセスそのものを変革していきます」と述べています。
また、水谷氏について、「AIやXRといった先端技術を社会の現場に落とし込んできた第一人者であり、経営・技術・人のあらゆる層をつなぐ力を持つ方です。彼のリーダーシップのもと、対話データ×生成AIの新しい市場を創る挑戦を本格的に進めてまいります」と語っており、水谷氏の持つ多角的な視点と実行力に大きな信頼を寄せていることが伺えます。
株式会社ブリングアウトについて:AXを推進する専門ファーム
ブリングアウトは、「対話をデータ化して経営を変革する」ことを掲げるAIを活用した経営変革(AX:AI Transformation)を専門とするファームです。

同社は、経営変革の焦点となる論点を明確に定め(論点設計力)、その論点をAIプロダクトに組み込んで自動で動くようにし(AI実装力)、設計と実装を一体で行うことで、現場へのスピーディーな展開を実現しています(戦略×実装の融合)。これにより、企業がAIを経営に深く組み込み、継続的な変革を達成できるよう支援しています。
主要な提供サービス
ブリングアウトが提供する主なサービスは以下の3つです。
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経営論点特定結果に基づく、対話設計とコンテキストエンジニアリング
- 経営、組織、顧客との対話の目的に応じて、会話データをAIが理解しやすいように構造化し、適切な文脈(コンテキスト)を設計します。これにより、AIがより正確で意味のある分析を行えるようになります。
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言語理解AIインフラとエージェント基盤
- 自然言語解析、知識抽出、推論を行う独自のAI基盤を開発しています。このAIエージェントが対話や文書を横断的に理解し、経営層や現場の意思決定を強力に支援します。
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価値化ソフトウェアとAX推進モデル
- AIによる分析結果をもとに、重要な情報の要約、深い洞察、具体的な提言などを自動で生成するソフトウェアを提供しています。これにより、AIを活用して「自ら考え、行動する組織」への転換を支援します。
これらの仕組みを通じて、ブリングアウトは企業におけるAIを活用した経営変革(AX)を実現しています。その実績は高く評価されており、『東洋経済 すごいベンチャー100』や『日経 未来の市場を創る100社』にも選出されるなど、国内の大手企業を中心に導入が進んでいます。
- 株式会社ブリングアウト 公式ウェブサイト: https://www.bringout.biz/
まとめ:AIと人間の協働で新たな経営の未来へ
今回の水谷享平氏のVP of AI就任は、ブリングアウトが「対話データ」と「生成AI」を組み合わせることで、企業の経営に変革をもたらすという強い意志を示すものです。水谷氏の持つ豊富な経験と知見は、AIを単なるツールではなく、人間の思考や意思決定を拡張する「知的基盤」として活用し、企業が未来を切り拓くための強力な推進力となるでしょう。
AIがますます社会に浸透する中で、ブリングアウトが提唱する「AIと共に思考し、問いを深める」という新しい文化は、これからのビジネスにおいて不可欠な視点となるはずです。同社の今後の動向と、水谷氏のリーダーシップのもとで生まれるであろう革新的なサービスに注目が集まります。

