FRONTEOと参天製薬がAI創薬で眼科医療の未来を拓く!「Drug Discovery AI Factory」で新薬開発を加速

FRONTEOと参天製薬、AI創薬で眼科医療の未来を拓く!「Drug Discovery AI Factory」で新薬開発を加速

医療の進化は、私たちの生活の質を大きく左右します。特に、高齢化が進む現代において、眼科領域の疾患は多くの人々にとって深刻な課題です。そんな中、株式会社FRONTEO(以下、FRONTEO)と眼科領域の国内最大手である参天製薬株式会社(以下、Santen)が、画期的な共創プロジェクトを開始したことを発表しました。

このプロジェクトは、FRONTEOが提供するAI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory(以下、DDAIF)」を活用し、眼科領域における新たな治療薬の発見を目指すものです。AI(人工知能)がどのようにして医薬品開発に貢献し、私たちの目の健康を守る未来を創り出すのか、AI初心者の方にも分かりやすい言葉で詳しくご紹介します。

FRONTEOと参天製薬が目指す、眼科領域の未来

FRONTEOとSantenのロゴ

今回の共創プロジェクトの最大の目的は、眼科領域における「新規標的分子探索」と「ドラッグリポジショニング」をAIの力で加速させることにあります。

なぜ眼科領域で新薬開発が重要なのか?

眼科領域は、高齢化の急速な進展や生活習慣病の増加などを背景に、市場が拡大し続けています。しかし、残念ながら、現代の医療ではまだ治療が困難な目の病気が数多く存在します。例えば、緑内障、ドライアイ、加齢黄斑変性など、失明につながる可能性のある疾患や、日々の生活の質を著しく低下させる疾患に対し、根本的な治療薬が求められています。こうした状況から、眼科領域における新しい治療薬の創出は、日本だけでなく世界中で喫緊の課題となっているのです。

このプロジェクトは、Santenが長年にわたり培ってきた眼科領域の深い知識と、FRONTEOの最先端AI技術を組み合わせることで、これまで見過ごされてきた可能性を発掘し、革新的な治療薬を生み出すことを目指しています。日本発の先端AIを眼科創薬に本格的に適用するという今回の取り組みは、医薬品研究開発の効率を高め、新薬が生まれる成功確率を向上させる可能性を秘めており、その意義は非常に大きいと言えるでしょう。

プロジェクトの具体的な内容

具体的には、Santenが特に力を入れている疾患領域において、DDAIFを活用して「新規標的分子候補」を抽出します。そして、その標的分子に関連する「ドラッグリポジショニング候補薬」を探索していきます。

この取り組みにより、既存の治療法では手の届かなかった疾患に対する、新しい治療の選択肢が生まれることが期待されています。

AI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory (DDAIF)」の全貌

今回のプロジェクトの中核となるのが、FRONTEOが提供するAI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory(DDAIF)」です。DDAIFは、どのようなサービスで、なぜこれほど注目されているのでしょうか。

AI創薬の仮説生成AI「KIBIT」の仕組み

DDAIFとは?

DDAIFは、FRONTEOが独自に開発したAI「KIBIT(キビット)」の自然言語処理技術と、創薬に精通したFRONTEOの専門家(創薬エキスパート、AIエンジニア)の知見を融合させたサービスです。

DDAIFの主な役割は、医薬品開発の初期段階で行われる「標的分子探索」や「適応症探索」、そしてそれらの裏付けとなる「仮説の提供」です。簡単に言うと、DDAIFは、膨大な医学論文や研究データの中から、人間だけでは見つけ出すのが難しいような、疾患と薬の候補となる分子の関連性、あるいは疾患のメカニズムに関する新しいアイデア(仮説)を効率的に見つけ出す手助けをしてくれるAIサービスなのです。

DDAIFの独自技術「KIBIT」の強み

DDAIFの核となるAI「KIBIT」は、特に「自然言語処理」という分野に特化しています。自然言語処理とは、人間が日常的に使う言葉(日本語、英語など)をコンピューターが理解し、処理する技術のことです。

KIBITの最大の特徴は、既存の論文や研究報告書に直接的に記載されていない、あるいはまだ誰も気づいていないような「未知の関連性」や「疾患メカニズム」を、文献情報の中から「非連続的に抽出する」ことができる点にあります。一般的なデータ分析では、大量のデータから統計的に関連性を見つけ出すことが多いですが、KIBITは、データ量が少ない領域であっても、高精度なアウトプットを提示できる独自のアルゴリズムを持っています。これは、AIと創薬に精通したエキスパートの知見が、AIの解析プロセスに深く組み込まれているからこそ実現できることです。

この「非連続的発見」の能力こそが、DDAIFを他のAI創薬サービスと一線を画す要因であり、研究初期段階で質の高い仮説を生成し、研究開発の方向性を大きく変える可能性を秘めているのです。

FRONTEOのDDAIFに関する詳細は、こちらからご覧いただけます。

専門用語を解説!新規標的分子探索とドラッグリポジショニングとは?

AI創薬のニュースによく登場する専門用語について、AI初心者の方にも分かりやすく解説します。

標的分子(ターゲット分子)と標的探索

標的分子とは、薬が作用する対象となる分子(遺伝子やタンパク質など)のことです。私たちの体の中には、病気の原因となる様々な分子が存在します。薬は、これらの標的分子に結合したり、その働きを調整したりすることで、病気を治療したり、症状を和らげたりします。

標的探索とは、医薬品研究開発において、病気を治療するために「どの分子を薬のターゲットにすれば良いか」を特定するプロセスです。この標的分子を正確に見つけることが、効果的な新薬を開発する上で非常に重要になります。AIは、膨大な生物学的データや医学論文の中から、病気と関連性の高い標的分子の候補を効率的に絞り込むことで、この探索プロセスを大幅に加速させることができます。

ドラッグリポジショニング

ドラッグリポジショニングとは、すでに承認されている薬や開発中の薬を、当初想定していた病気とは異なる、別の病気の治療に転用する手法のことです。例えば、もともと高血圧の薬として開発されたものが、実は脱毛症にも効果があることが分かり、脱毛症の治療薬として使われるようになる、といったケースがこれにあたります。

ドラッグリポジショニングの大きなメリットは、既存の薬を利用するため、安全性が確認されており、開発にかかる時間やコストを大幅に削減できる点です。新薬をゼロから開発する場合、通常10年以上、数百億円規模の費用がかかると言われています。しかし、ドラッグリポジショニングであれば、これらのハードルを大きく下げることが可能です。

AIは、疾患のメカニズムや薬の作用に関する膨大な情報を解析し、これまで見過ごされてきた薬と疾患の新たな関連性を見つけ出すことで、ドラッグリポジショニングの可能性を大きく広げます。今回のプロジェクトでは、DDAIFが新規標的分子候補を抽出し、それに紐づくリポジショニング候補薬を探索することで、この効率的な新薬開発手法を推進していくことになります。

両社のキーパーソンが語る期待

本共創プロジェクトに対する両社のキーパーソンからのコメントも寄せられています。

Santenの眼科イノベーションセンター Head of Pipeline Creationである島田 久生氏は、「FRONTEOのAI創薬支援サービスは、非連続的発見の概念に基づく解析により、研究初期に質の高い仮説が抽出可能であると認識しています。本共創を通じて得られる示唆を丁寧に検証し、初期意思決定の確度と探索効率の向上、および眼科領域研究における創造性や可能性の拡大を期待しています」と、AI技術への高い期待を示しています。

一方、FRONTEOの取締役/CSO(Chief Science Officer)である豊柴 博義は、「FRONTEOのDDAIFは、独自の自然言語処理技術と解析手法により、既存の論文には未だ報告されていない疾患と標的分子の関連性や疾患メカニズムを、文献情報から非連続に抽出できることを強みとしています。本技術を眼科領域における新規性の高い標的分子の発見と創薬に活用できることを嬉しく思います」と、自社の技術力と今回のプロジェクトへの意気込みを語っています。

これらのコメントからも、両社がこのプロジェクトを通じて、眼科医療に新たな風を吹き込むことに強い意欲を持っていることがうかがえます。

FRONTEOが描くAI創薬の未来と社会貢献

FRONTEOは、AI創薬のリーディングカンパニーとして、独自の自然言語処理に特化したAIの研究開発とその社会実装を通じて、革新的な医薬品の研究開発と「アンメット・メディカル・ニーズ」の解消に貢献することを目指しています。

アンメット・メディカル・ニーズとは、まだ有効な治療法が見つかっていない疾患に対する、新しい治療薬や治療法へのニーズのことです。FRONTEOは、こうしたニーズに応えるべく、「日本を再び創薬の地へ」という理念を掲げ、医薬品産業を自動車や半導体に次ぐ日本の基幹産業へと成長させることを目標としています。

薬を必要とするすべての人に適切に届けられる、公平な世界の実現を目指すFRONTEOの取り組みは、ライフサイエンスAIだけでなく、経済安全保障、リーガルテックAI、ビジネスインテリジェンスといった多岐にわたる事業領域で展開されています。

FRONTEOの事業領域

FRONTEOの企業情報については、こちらから、ライフサイエンスAIに関する詳細はこちらからご確認いただけます。

まとめ

FRONTEOと参天製薬によるAI創薬の共創プロジェクトは、AI技術が医療分野に与える影響の大きさを改めて示すものです。AI初心者の方にとっては、AIがどのようにして新薬開発という複雑なプロセスに貢献するのか、具体的なイメージが湧いたのではないでしょうか。

このプロジェクトは、既存の治療法では限界があった眼科疾患に対し、新たな治療の光をもたらす可能性を秘めています。FRONTEOのDDAIFが持つ「非連続的発見」の能力と、参天製薬の眼科領域における深い知見が融合することで、医薬品研究開発の常識が覆され、より多くの患者さんが「見る」ことの喜びを取り戻せる未来が、きっと実現されることでしょう。

AIがもたらす医療の進化に、今後も注目していきましょう。

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