AI開発の現場を変革する新機能!GMO GPUクラウドの「Grafanaモニタリングダッシュボード」とは
近年、生成AIの進化は目覚ましく、私たちの生活やビジネスに大きな影響を与えています。しかし、その裏側では、AIモデルの学習や開発に膨大な計算資源、特に高性能なGPU(Graphics Processing Unit)が不可欠です。GPUは、一度にたくさんの計算を並行して処理できるため、AIの学習のような複雑な計算を高速に行うのに非常に適しています。
AI開発者や研究者にとって、この貴重なGPUリソースをいかに効率的に利用するかは、開発期間やコストに直結する重要な課題です。GPUサーバーの利用状況が見えにくいと、無駄なリソース消費が発生したり、必要な時にリソースが不足したりする可能性があります。このような課題を解決するため、GMOインターネット株式会社が提供する生成AI向けGPUクラウドサービス「GMO GPUクラウド」に、画期的な新機能「モニタリングダッシュボード」が追加されました。
この新機能は、オープンソースのデータ可視化プラットフォーム「Grafana(グラファナ)」を活用し、GPUサーバーのリソース利用状況や、AI開発におけるジョブ(プログラムの実行内容)の実行状況を、誰でも直感的に理解できる形で「見える化」します。本記事では、AI初心者の方にも分かりやすく、このモニタリングダッシュボードがAI開発にどのようなメリットをもたらすのか、詳しく解説していきます。
GPUリソースを「見える化」するモニタリングダッシュボードの全貌
AI開発において、GPUサーバーの稼働状況を把握することは非常に重要です。しかし、複数のAIモデルを同時に学習させたり、多くの開発者がリソースを共有したりする環境では、「今、どのGPUがどれくらい使われているのか?」「自分のジョブはいつ実行されるのか?」といった情報を正確に把握するのは困難でした。この課題を解決するために導入されたのが、今回のモニタリングダッシュボード機能です。
GrafanaとSlurmが実現する強力な可視化
このダッシュボードは、以下の2つの主要な技術を活用しています。
- Grafana(グラファナ):オープンソースのデータ可視化プラットフォームです。様々なデータソースから情報を集め、グラフやチャートなど、視覚的に分かりやすい形で表示することができます。AI開発者は、このGrafanaによって、複雑なGPU利用状況を一目で把握できるようになります。
- Slurm(スラーミュー):主にスーパーコンピュータや研究機関の大規模な計算機で利用される「ジョブ管理システム(スケジューラ)」の一種です。AI開発では、大規模な計算を「ジョブ」として投入し、Slurmがそれらのジョブを効率的にGPUサーバーに割り当て、実行を管理します。モニタリングダッシュボードでは、このSlurmが管理するジョブの実行状況も可視化されるため、自分のジョブがいつ、どこで、どのように実行されているのかが明確になります。
これらの技術の組み合わせにより、AI開発者は以下のような情報を一画面で確認できるようになります。
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パーティションにおける実行中ジョブ数:現在、GPUリソースの各区画(パーティション)で、いくつのAI学習や推論のジョブが動いているか。
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パーティションにおける待機中ジョブ数:これから実行されるのを待っているジョブが、各パーティションにいくつあるか。
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ユーザー別の実行中ジョブ数:どのユーザーが、現在いくつのジョブを実行しているか。
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ユーザー別の待機中ジョブ数:どのユーザーが、いくつのジョブを実行待ちにしているか。

利用料金とプランについて
このモニタリングダッシュボード機能は、「GMO GPUクラウド」の「専用プラン」をご利用のお客様なら、追加料金なしで利用できます。共用プランでは利用できないため、AI開発の効率化を目指す企業や研究機関には、専用プランの利用が推奨されます。
モニタリングダッシュボードでAI開発はどう変わる?具体的な活用シーン
GPUリソースの「見える化」は、AI開発の現場に様々なメリットをもたらします。具体的な活用シーンを見ていきましょう。
活用例1:ジョブ実行の最適化と効率向上
AIモデルの学習ジョブは、リソースを大量に消費します。例えば、一日の特定の時間帯にジョブが集中してしまうと、GPUリソースが飽和状態になり、他のジョブの実行が遅れてしまうことがあります。モニタリングダッシュボードでは、ジョブが実行されている時間帯や、待機しているジョブの数をグラフで確認できます。
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具体的な行動:もし特定の時間帯に実行が集中していることが分かれば、開発チーム内で調整し、ジョブの投入時間を分散させることが可能になります。例えば、夜間や週末など、リソースが比較的空いている時間帯に大規模な学習ジョブを投入するといった運用が考えられます。
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得られるメリット:これにより、ジョブの待ち時間が短縮され、全体のAI開発サイクルがスムーズに進みます。貴重なGPUリソースを最大限に活用し、無駄なく効率的に利用できるようになるでしょう。
活用例2:GPU利用率の確認とリソース効率の最大化
AIモデルの学習効率は、設定するパラメーター(学習率やバッチサイズなど)によって大きく変動します。GPUが常に100%の性能を発揮しているとは限りません。利用率が低い場合は、リソースが十分に活用されていない可能性があります。
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具体的な行動:ダッシュボードで一定時間内のGPU利用率を確認し、もし利用率が低いジョブが見つかった場合、そのジョブのパラメーターを調整することで、GPUリソースをより効率的に使えるようになります。例えば、バッチサイズを大きくすることで、GPUの処理能力をより引き出せるかもしれません。
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得られるメリット:リソース効率が最適化されることで、同じGPUリソースでより多くの学習や実験が可能になり、AI開発のイテレーション(繰り返し改善)を加速させることができます。結果として、開発期間の短縮やコスト削減にも繋がるでしょう。

なぜこの機能が必要とされたのか?開発の背景
AI開発の現場では、日々大量のジョブがGPUサーバーに投入されます。しかし、これらのジョブ一つ一つの実行状況を追跡したり、長期間にわたってGPUの利用データを分析したりすることは、これまで容易ではありませんでした。開発者は、リソースが不足しているのか、それとも無駄になっているのかを判断するのに苦労し、非効率な運用を強いられることも少なくありませんでした。
このような課題に対し、GMOインターネットは、AI開発者の声に応える形で、Grafanaを活用したモニタリングダッシュボード機能の開発に着手しました。この機能は、複雑なGPUリソースの利用状況を直感的に可視化・分析できる環境を提供することで、AI開発のボトルネックを解消し、よりスムーズで効率的な開発プロセスを支援することを目指しています。
「GMO GPUクラウド」の圧倒的な性能と今後の展望
今回の新機能追加により、さらに利便性が向上した「GMO GPUクラウド」は、もともと非常に高い性能を誇るサービスです。AI開発に特化したインフラとして、その特徴を改めて見てみましょう。
国内商用クラウド最速の性能
「GMO GPUクラウド」は、最先端の「NVIDIA H200 GPU」を搭載しています。これは、大規模なAIモデルの学習や、複雑な計算を高速に処理できる、非常に強力なGPUです。
さらに、国内で初めて高速ネットワーク「NVIDIA Spectrum-X」と高速ストレージを組み合わせることで、複数のGPUサーバーを連携させる「マルチノード構成」において、国内商用クラウドサービスとして最速の性能を実現しています(2024年11月22日時点のGMOインターネット調べ)。
その性能は、2024年11月に発表された世界スーパーコンピュータランキング「TOP500」で世界37位、国内6位にランクインするほどです。この圧倒的なパフォーマンスと安定性により、大規模言語モデル(LLM)の学習や、画像・音声・テキストなど複数の情報を扱う「マルチモーダルAI」の開発など、高度なAI開発に最適な環境を提供しています。
「GMO GPUクラウド」の詳細はこちらをご覧ください:https://gpucloud.gmo/

次世代GPU「NVIDIA Blackwell Ultra GPU」の導入予定
GMOインターネットは、AI技術の急速な進化に対応するため、常に最先端の技術を取り入れることに力を入れています。2025年内には、NVIDIAの次世代GPUである「NVIDIA Blackwell Ultra GPU」を搭載した「NVIDIA HGX B300(NVIDIA B300)」のクラウドサービスの提供を予定しています。
これにより、「GMO GPUクラウド」はさらに計算能力を向上させ、将来のAI技術革新を支える基盤となることでしょう。より大規模で複雑なAIモデルの開発や、新たなAIアプリケーションの創出に貢献することが期待されます。
日本のAI産業の発展への貢献
GMOインターネットは、「GMO GPUクラウド」を通じて、生成AI分野に取り組む企業や研究機関に対し、最適化されたインフラ基盤と、お客様のワークロード(処理内容)に応じた柔軟でカスタマイズ可能な計算環境を提供しています。これにより、開発期間の短縮とコスト低減に貢献し、ひいては国内AI産業全体の発展を促進することを目指しています。
今後の展開:日本のAIイノベーションを牽引するGMOインターネット
GMOインターネットは、「GMO GPUクラウド」を中核としたAIインフラ戦略により、急速に進化するAI・ロボティクス分野の技術革新に貢献していくことを表明しています。今後も最新のAI計算基盤の提供と、お客様のニーズに応じた柔軟なクラウド環境の構築を継続していくことでしょう。
日本のAI産業にとって不可欠なクラウドサービスとして、日本発のAIイノベーション創出に貢献する存在となることが期待されます。AI開発をより身近に、より効率的にするためのGMOインターネットの取り組みは、これからも注目すべき点です。
まとめ:AI開発の未来を拓くモニタリングダッシュボード
生成AIの進化が加速する現代において、GPUリソースの効率的な管理はAI開発成功の鍵となります。「GMO GPUクラウド」に今回追加された「Grafanaモニタリングダッシュボード」機能は、AI開発者が直面していたリソース管理の課題を解決し、開発プロセスを大幅に効率化する強力なツールです。
GPUの利用状況やジョブの実行状況を「見える化」することで、無駄をなくし、最適なリソース配分を実現できます。これにより、AI開発者はより創造的な作業に集中できるようになり、開発期間の短縮やコスト削減にも繋がるでしょう。AI初心者の方も、この新しいダッシュボードを活用することで、AI開発の効率化を実感できるはずです。
「GMO GPUクラウド」は、国内商用クラウド最速の性能と、今回のモニタリング機能のような使いやすさを兼ね備え、日本のAI産業の発展を力強く後押ししていきます。AI開発に携わるすべての人にとって、この新機能が新たな可能性を切り開くきっかけとなることを期待します。

