AIが拓くエンターテインメントの未来:藤井隆×Google AIプロジェクトに360Channelが参画
近年、AI技術は私たちの生活のあらゆる側面に浸透しつつありますが、エンターテインメントの世界でもその影響は計り知れません。特に、動画生成AIの進化は、クリエイティブな表現の可能性を大きく広げています。そんな中、株式会社360Channel(サンロクマルチャンネル)が、アーティスト藤井隆氏とGoogle AIが共同で手がける画期的なプロジェクト『Music Video with Gemini』に参画したことが発表されました。
このプロジェクトでは、藤井隆氏の過去の名曲3曲のミュージックビデオ(MV)制作において、Googleの最新生成AIモデル「Veo」やマルチモーダルAI「Gemini」といった先端技術が活用されています。360Channelは、これらのGoogle製AIツールを駆使し、映像素材の生成とプロンプトエンジニアリングを担当。AIがどのように楽曲の世界観を拡張し、視聴者にこれまでにない映像体験を提供するのか、その詳細を深く掘り下げてご紹介します。

『Music Video with Gemini』プロジェクトの全体像と360Channelの役割
『Music Video with Gemini』プロジェクトは、藤井隆氏のこれまでの楽曲に対し、Googleの最新生成AIモデルを適用することで、新たな映像表現に挑戦する試みです。株式会社ギークピクチュアズが制作を手がける中、360Channelはプロジェクトの中核を担い、AIによる映像生成と、AIに指示を出すための「プロンプトエンジニアリング」を担当しました。
プロンプトエンジニアリングとは、AIに具体的な指示(プロンプト)を与えることで、望む結果を引き出す技術のことです。AIが生成する映像の品質や方向性は、このプロンプトの質に大きく左右されます。360Channelは、この分野における専門知識と経験を活かし、藤井氏がかつて手がけたコマーシャルフィルム(CF)などのオリジナル映像が持つ世界観やコンセプトを基盤に、AIならではの表現力を最大限に引き出しました。
特に注目すべきは、Googleの動画生成モデル「Veo」とマルチモーダルAI「Gemini」の活用です。「Veo」は、テキストや画像から高品質な動画を生成できるAIで、これまで時間やコストがかかっていた映像制作のプロセスを革新します。一方、「Gemini」はテキスト、画像、音声、動画など、多様な情報を理解し、処理できる高性能なAIモデルです。これらの技術を組み合わせることで、当時は表現しきれなかったイマジネーションの世界を具現化し、「オリジナルCFの拡張」というテーマのもと、楽曲の魅力をより深く、広く伝える映像が誕生しました。

AIが拓く新たな映像表現:3つのMV事例を深掘り
本プロジェクトで制作された3つのMVは、それぞれがAIによる「世界観の拡張」というテーマを異なるアプローチで表現しています。ここでは、それぞれのMVがどのようにAI技術を活用し、楽曲に新たな息吹を吹き込んだのかを詳しく見ていきましょう。
『プラスティック・スター (MV with Gemini)』
オリジナルCFでは、ゲレンデを颯爽と滑り降りる爽快な映像が特徴でした。この「爽快感」というテーマを、AIは「空を飛ぶチューブマンの視点」へと拡張しました。360Channelは、動画生成モデル「Veo」を駆使し、チューブマンが世界中の空を飛び回り、ダイナミックにスキー場へ舞い降りる映像を生成しました。現実世界での撮影では実現不可能な、浮遊感のあるアングルや映像美は、まさにAIだからこそ可能になった表現と言えるでしょう。
このMVは、AIが単に映像を作るだけでなく、既存のコンセプトを新しい視点から解釈し、視聴者に驚きと感動を与えることができる可能性を示しています。
▶YouTube視聴ページ:
https://youtu.be/9j_WwPWiqdg?si=-07bcZGFzCcqLUmw
『DARK NIGHT (MV with Gemini)』
『DARK NIGHT』のオリジナルCFは、謎の男を追う藤井氏や時計の演出など、ミステリアスな雰囲気が特徴的でした。この設定や構図を、AIは近未来的な世界へと大胆に拡張しました。ネオ・トーキョーを思わせる夜の街並みや、無限に続く螺旋階段など、AIの持つ優れた描画力を活用することで、楽曲が持つクールな世界観がSF映画のような壮大なスケールで表現されています。
AIは、クリエイターが思い描く抽象的なイメージを、具体的なビジュアルとして具現化する強力なツールとなり得ます。このMVは、AIが想像力を刺激し、これまでの映像表現の限界を超える力を持っていることを示しています。

▶YouTube視聴ページ:
https://youtu.be/u5_EXdSiqrI?si=ksSmjEoODSRU3jAs
『くちばしは黄色』
『くちばしは黄色』のオリジナルCFでは、子供や犬、女性の写真を撮る藤井氏の姿が描かれ、「記憶」や「写真」というモチーフが印象的でした。AIによる拡張では、このモチーフが「現実と記憶が交錯する幻想的な世界」として表現されました。部屋全体が写真の渦になったり、街並みが記憶のように変化したりと、「Past Forward」などの技術を用いることで、記憶の世界へダイブするようなエモーショナルな映像体験が作り出されています。
「Past Forward」とは、過去の映像や画像を元に、時間軸を超えたような表現を可能にする技術の一つと考えられます。AIは、単なる視覚的な美しさだけでなく、感情や記憶といった内面的なテーマを映像で表現する能力も持ち合わせていることを、このMVは示しています。
▶YouTube視聴ページ:
https://youtu.be/HA8SVsciy6s?si=Gpzc9bDaTUFjmiSO
360ChannelのAI技術と今後の展望:AI LAB.の挑戦
本プロジェクトを通じて、360ChannelはGoogleの「Veo」をはじめとする最新AIモデルのハンドリング技術や、商用レベルの映像制作におけるAI活用のノウハウを蓄積しました。これらの経験は、同社が今後、エンターテインメント領域だけでなく、企業のプロモーション活動においても、先端技術とクリエイティブを融合させた新しい映像体験を提供していく上で大きな強みとなるでしょう。
360Channelは、社内に「AI LAB.」を設立し、「AIの可能性を、創造的価値へとつなげる」というコンセプトのもと、生成AI、自然言語処理、画像認識、位置情報技術などの先端テクノロジーを活用した研究開発を進めています。このAI LAB.は、「新たな価値の創出」と「現場課題の解決」を目標に掲げ、映像制作やプロダクト開発における実践的なAI活用を軸に、リサーチ、検証、発信を行っています。社内外のクリエイターやエンジニアと連携しながら、新たなビジネスモデルの検討を通じて、技術を事業へと結びつける取り組みを推進しています。
AI LAB.の直近の施策としては、以下のような取り組みが挙げられます。
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ブランド向けアプリの画像生成機能の実装: 企業が自社のブランドイメージに合った画像をAIで手軽に生成できる機能の開発。
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AIツールを活用したプロモーション動画・CMを制作: AIを使って効率的かつ魅力的なプロモーション映像やCMを制作するソリューションの提供。
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AIアバターの研究開発: リアルなAIアバターを生成し、多様なコンテンツやサービスで活用するための研究。
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AIを活用した”映像の3D化技術”の研究開発: 2D映像をAIの力で3D化し、より没入感のある体験を提供する技術の開発。
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G検定資格の取得、G検定資格取得の推奨: AI・ディープラーニングの活用リテラシー習得のための検定試験であるG検定の資格取得を推進し、社内のAIリテラシー向上を図る。
これらの取り組みからも、360ChannelがAI技術の可能性を深く追求し、それを具体的なビジネスやクリエイティブな価値へと変換しようとしている姿勢が伺えます。
株式会社360Channelとは:XRとAIで未来を創造する企業
株式会社360Channelは、「新しいテクノロジーを身近にし、人々にオドロキを」というミッションを掲げ、XR技術を核とした総合プロデュース事業を中心に、AIなど様々な先端技術を駆使し、社会に新しい価値と体験を提供し続けている企業です。
同社の主要事業は多岐にわたります。
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総合XRプロデュース事業:VR PARTNERS
企画から開発、効果測定までをワンストップで支援するサービスです。年間500本以上の実績を持つVR動画制作をはじめ、AR/VRシステム開発などを通じて、多様なニーズに対応しています。 -
AI関連事業:AI Caster(エーアイ キャスター)
PR動画や研修資料、マニュアルなどを誰でも手軽に映像化できるAIサービスです。ブラウザ上で完結するため、業務効率化を促進します。 -
施設DX関連事業:360maps(サンロクマルマップ)
商業施設などのフロアマップをデジタル化し、施設の道案内を可能にするデジタルマップサービスです。スマートフォン一つで現在位置を正確に取得し、2DマップとAR技術を組み合わせたナビゲーションが最大の特徴です。 -
メタバース事業
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WEBmetaverse
「ウェブサイトのように、1社に1つのメタバース空間を」をコンセプトに、アプリ不要でマルチデバイスに対応し、最短1ヶ月で自社メタバースが開設可能なサービスです。 -
Pixel Canvas
Unreal Engine 5を活用した高品質なWebメタバースプラットフォームです。クラウドレンダリングにより、大規模で高精細な空間をスピーディに構築します。
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これらのサービスに関するお問い合わせは、360Channelのウェブサイトから可能です。
- 上記各サービスのお問い合わせ:https://corp.360ch.tv/contact
また、360Channelでは、さらなるビジネス拡大を目指し、新たな人材を積極的に募集しています。

まとめ:AIが切り拓くクリエイティブの新たな地平
藤井隆氏とGoogle AI、そして360Channelが共創した『Music Video with Gemini』プロジェクトは、AI技術がエンターテインメントにどのような革新をもたらすかを鮮やかに示しました。Googleの動画生成AI「Veo」やマルチモーダルAI「Gemini」といった先端技術を用いることで、これまでは表現しきれなかったイマジネーションの世界が具現化され、楽曲の持つ魅力をより深く、広範に伝えることに成功しています。
360Channelが本プロジェクトで培ったノウハウと、社内ラボ「AI LAB.」での継続的な研究開発は、今後のエンターテインメント業界や企業のプロモーション活動において、AIを活用した新たな映像体験を創出していく上で非常に重要な役割を果たすでしょう。AIはクリエイターの想像力を拡張し、私たちにこれまでにない感動や驚きを提供してくれる可能性を秘めています。このプロジェクトは、AIと人間のクリエイティビティが融合することで生まれる、未来のエンターテインメントの形を私たちに提示しています。

