AIセキュリティ・プライバシーの第一人者、髙橋翼氏がAcompanyのプリンシパルリサーチャーに就任!「Confidential AI」で安全なAI活用を加速
現代社会において、人工知能(AI)は私たちの生活やビジネスに欠かせない存在となりつつあります。特に、文章や画像を自動生成する「生成AI」は、インターネットの登場に匹敵するほどの大きな変革をもたらすと期待されています。しかし、その一方で、AIを活用する上で避けて通れないのが「データの安全性」と「プライバシー保護」という課題です。
このような背景の中、株式会社Acompany(アカンパニー)は、AIセキュリティ・プライバシー分野の第一人者である髙橋翼氏を、2026年1月付でプリンシパルリサーチャーとして迎え入れたことを発表しました。髙橋氏の参画により、Acompanyが掲げる「Confidential AI(コンフィデンシャル・エーアイ)」によるセキュアなAI活用基盤の構築が、さらに加速すると期待されています。

AIセキュリティ・プライバシーの専門家、髙橋翼氏とは?
髙橋翼氏は、AIセキュリティ・プライバシー領域において、国内外のトップカンファレンスで数多くの論文を発表し、その技術を実際の事業に導入してきた実績を持つ、まさにこの分野のパイオニアです。彼のこれまでの歩みを見ていきましょう。
輝かしいキャリアの軌跡
髙橋氏は2010年に日本電気株式会社(NEC)に入社し、中央研究所の研究員としてキャリアをスタートさせました。ここでは、個人情報を特定できないように加工する「データ匿名化技術」や、AIが誤った判断をしないようにする「AIへの敵対的攻撃」の研究開発に注力しました。2015年から2016年には、アメリカのカーネギーメロン大学へ研究留学し、国際的な知見を深めています。
2018年には、LINE株式会社(現LINEヤフー株式会社)にシニアリサーチャーとして参画。ここで彼は、機械学習とプライバシー保護を両立させるための「ML Privacyチーム」を立ち上げました。特に、LINEスタンプのサジェスト機能(おすすめ表示機能)において、ユーザーのプライバシーを守りながらAIを学習させる「連合学習」と「差分プライバシー」という技術を導入するプロジェクトを主導しました。差分プライバシーとは、個人のデータが特定されないようにノイズを加えることで、統計的な分析は可能にしつつも、プライバシーを厳重に保護する画期的な技術です。
さらに、AIの安全性と信頼性を高める「Trustworthy AIチーム」の発足にも携わり、大規模言語モデル(LLM)や画像生成AIといった最先端のAI技術の安全性・信頼性に関する研究開発を牽引しました。2023年にはLINEヤフー研究所の上席研究員、2024年にはAIセキュリティ・プライバシー推進室長を務めるなど、組織の中核として活躍しています。
同年には、ソフトバンクグループのAI専門企業であるSB Intuitionsに出向し、「Responsible AIチーム」を設立。AIが社会に与える影響を考慮し、倫理的で責任あるAIの開発・運用を推進しました。そして、完全自動運転AIの開発を目指すスタートアップ、Turing株式会社では、視覚言語モデルや世界モデル、それらの信頼性に関する研究開発に従事しました。
そして2026年1月、株式会社Acompanyにプリンシパルリサーチャーとして参画。これまでの豊富な経験と深い知見を活かし、Acompanyの技術開発を牽引することになります。

主な実績と受賞歴
髙橋氏は、データベース(SIGMOD, VLDB)、機械学習(ICLR, AAAI)、コンピュータビジョン(CVPR, ICCV)、自然言語処理(ACL)といった、各分野の世界トップカンファレンスで多数の論文を発表しています。これは、彼の研究が学術的に高く評価されている証拠です。
また、著書に「機械学習のためのプライバシー保護」(監訳)があるほか、DEIM 2022 産学連携委員長やCSS 2024, 2025 PWSトラックプログラム委員長を務めるなど、学術界と産業界の橋渡し役としても貢献しています。KDD 2025 Outstanding Reviewer選出、日本データベース学会上林奨励賞受賞といった輝かしい受賞歴も持ち、筑波大学大学院システム情報工学研究科博士後期課程を修了し、博士(工学)の学位を取得しています。
「Confidential AI」が拓く、安全なAI活用の未来
髙橋氏がAcompanyで牽引するのは、「Confidential AI」と呼ばれる新しいAI活用基盤の構築です。Confidential AIとは一体どのようなものなのでしょうか。
生成AIのジレンマと「Confidential AI」の必要性
大規模言語モデルを筆頭とする生成AIは、非常に強力なツールであり、その真価を発揮するためには、利用者が持つ「価値の源泉」であるデータをAIに学習させたり、プロンプト(指示)として与えたりする必要があります。しかし、このプロセスにおいて、機密性の高いデータや個人情報がAIを提供する事業者に「さらけ出される」という懸念が生じます。このジレンマこそが、金融、医療、製造といった機微な情報を扱う多くの産業が、生成AIの恩恵を十分に享受できていない大きな理由です。
Confidential AIは、このジレンマを解決するために開発される技術です。データの入力からAIによる処理、そして結果の出力まで、データのライフサイクル全体を「End-to-endの秘匿化」によって保護することを目指します。これにより、AI事業者にデータの内容を知られることなく、安全にAIを活用できるようになります。
Confidential Computing(機密コンピューティング)とは
Confidential AIの核となる技術の一つが「Confidential Computing(機密コンピューティング)」です。これは、コンピュータの処理中にデータが外部から見られないように保護する技術です。
通常、データは保存時や通信時には暗号化されることが多いですが、CPU(中央演算処理装置)で処理される際には一時的に暗号が解除され、この瞬間に情報漏洩のリスクが生じます。Confidential Computingは、この処理中のデータも「セキュアエンクレーブ」と呼ばれる隔離された安全な領域で実行することで、外部からの不正アクセスや監視からデータを保護します。これにより、クラウド環境など、信頼できない可能性のある環境でも、安心して機密データを扱うことが可能になります。
AcompanyはこれまでもConfidential Computingの技術推進に力を入れてきました。この技術をAIに応用することで、安全で秘密を守れるAIが実現し、誰もがAIの恩恵を受けられる社会の実現を目指しています。将来的には、AIエージェント(自動でタスクを実行するAI)やフィジカルAI(ロボットなど物理的な世界で動作するAI)のセキュアな情報基盤へと発展させていく構想も描かれています。
Acompanyが目指す「信頼」と髙橋氏への期待
株式会社Acompanyの代表取締役CEOである高橋亮祐氏は、今回の髙橋翼氏の参画について、次のようにコメントしています。
高橋CEOは、生成AIが社会を変革する中で、「データの信頼性と安全性」が最大の課題であると指摘しています。Acompanyのミッションである「あらゆるデータとAI活用に、信頼を」は、まさにこの難題を解決することにあります。機微なデータを保護しながらAIに活用する技術は、企業の競争力を最大化するために不可欠です。
髙橋翼氏の参画は、AIセキュリティ・プライバシー領域における世界トップレベルの実績と、研究から事業導入までの両面に精通した知見が、Acompanyの強みであるConfidential Computing等の技術と融合することで、次世代のAI活用基盤であるConfidential AIの構築を圧倒的なスピードで推進すると期待されています。
セキュリティのボトルネックによってAIの利用が「阻害」されるのではなく、技術によって「安全に開放」される未来をAcompanyは目指しており、これにより多くの企業がAIの真の価値を引き出し、競争力を高めることができるでしょう。
株式会社Acompanyについて
株式会社Acompanyは、2018年6月に設立され、愛知県名古屋市西区に本社を構えています。秘密計算に関連した製品・技術と、機密データ活用に関するコンサルティングサービスを提供しており、「あらゆるデータとAI活用に、信頼を」をミッションに掲げ、安全なデータ活用社会の実現に取り組んでいます。
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社名: 株式会社Acompany
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代表者: 代表取締役CEO 高橋亮祐
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所在地: 愛知県名古屋市西区那古野2丁目14番1号なごのキャンパス
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設立: 2018年6月
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事業内容: 秘密計算に関連した製品・技術と、機密データ活用に関するコンサルティングサービスの提供
Acompanyでは、この革新的な挑戦を共に進める仲間(エンジニア、リサーチャー、インターン)を積極的に募集しています。
お問い合わせ
Acompanyに関するご質問やご相談は、下記のお問い合わせフォームから気軽にお問い合わせください。
- お問い合わせフォーム: https://www.acompany.tech/contact/
まとめ
AI技術の進化が目覚ましい現代において、データプライバシーとセキュリティは最も重要な課題の一つです。AcompanyにAIセキュリティ・プライバシーの第一人者である髙橋翼氏がプリンシパルリサーチャーとして加わったことは、この課題を解決し、より安全で信頼性の高いAI社会を構築するための大きな一歩と言えるでしょう。
Confidential AIという革新的な技術が、機密データを扱う産業においてもAIの恩恵を最大限に引き出し、誰もが安心してAIを活用できる未来を拓くことが期待されます。今後のAcompanyと髙橋翼氏の活躍に注目が集まります。

