【AIで歩行を可視化】健康寿命延伸に貢献する「Well-be Walk」とは?未来のウェルビーイングを支えるAI歩行評価システムを徹底解説!

AIがあなたの「歩き方」を変える!「Well-be Walk」で健康寿命を延ばす未来へ

超高齢社会を迎える日本において、私たちが長く健康で活動的な生活を送る「健康寿命」の延伸は、喫緊の課題となっています。そんな中、医療・介護・予防医療の分野でウェルビーイング・フロンティアを目指す桜十字グループと、ITソリューションを提供する株式会社Q’sfix(キューズフィックス)が、画期的なAI歩行評価システム「Well-be Walk」を共同開発しました。このシステムは、2026年4月1日よりサービス提供が開始されます。

「Well-be Walk」は、AIモーションキャプチャー技術を駆使し、一人ひとりの歩行状態を詳細に可視化します。さらに、専門職による個別のアドバイスを組み合わせることで、利用者の健康意識を高め、より良い歩行へと導くことを目指しています。本記事では、この「Well-be Walk」がどのように私たちの健康寿命延伸に貢献するのか、その仕組みや特長、そして目指す未来について、AI初心者にも分かりやすく詳しくご紹介します。

AIモーションキャプチャー 歩行評価システム Well-be Walkのイメージ

超高齢社会で問われる「健康寿命」の現実

日本は世界でも類を見ない速さで高齢化が進んでおり、平均寿命は延び続けています。しかし、単に長生きするだけでなく、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」である健康寿命を延ばすことが、より豊かで質の高い人生を送る上で重要視されています。

厚生労働省が2022年に実施した「国民生活基礎調査」によると、要介護となる主な原因には、認知症、脳血管疾患(脳卒中)、骨折・転倒などが挙げられています。特に認知症は、健康寿命における大きな課題であり、多くの人にとって介護が必要となる要因のトップとなっています。

要介護度別にみた介護が必要となった主な原因の表

上記の表は、要介護度別に介護が必要となった主な原因を示しています。総数で見ると、認知症が16.6%、脳血管疾患が16.1%、骨折・転倒が13.9%と高い割合を占めています。このデータからも、これらの疾患や状態を予防し、進行を遅らせることが、健康寿命を延ばす上でいかに重要であるかがわかります。特に、身体活動の低下は、これらの要因と密接に関連していることが指摘されています。

「無理なく続ける歩行」が認知症予防の鍵に

近年、日本人の身体活動量は減少傾向にあり、男女ともに運動不足の状態が続いています(※2)。運動機能の低下によって移動能力が衰える「ロコモティブシンドローム」に該当する人は、約4,590万人に達すると推計されており(※3)、身体活動不足が抑うつや不安といった精神的なリスクにも関連すると指摘されています(※4)。

このような脳や身体の機能低下は、健康寿命の延伸を大きく阻害します。この社会課題に対し、認知症予防の観点から特に注目されているのが、「無理なく継続できる運動習慣」です。その中でも「歩行」は、日常生活に取り入れやすい中強度の有酸素運動であり、多くの人にとって継続しやすいという大きなメリットがあります。歩行は、記憶や学習に関わる「海馬」の機能と関連し、認知機能の維持に寄与することが報告されています(※5)。

そのため、日常に「無理なく続けられる歩行」を取り入れることは、身体機能だけでなく、認知機能や心理的健康の維持にも貢献する、実践的な予防医療アプローチとして非常に有効であると考えられています。

歩行の「質」が導く、“美しく歩く”という価値

これまでの健康増進では、歩数の増加など、歩行の「量」に注目が集まることが多かったかもしれません。しかし、近年では歩行の「量」だけでなく、その「質」が重要であるという認識が高まっています。

姿勢が崩れた歩行は、関節や筋肉に余計な負担をかけ、身体機能を十分に発揮できない原因となります。一方で、効率的で無理のない歩行は、関節や筋肉への負担を軽減し、エネルギー効率の向上に寄与することが研究で報告されています(※6)。また、質の高い歩行をはじめとする身体活動は、日々の活動量増加や運動習慣の形成にもつながり、好循環を生み出します。

こうした背景を踏まえ、桜十字グループと株式会社Q’sfixは、「いまのカラダと歩き方の関係性を見える化する」ことで、一人ひとりが自身の健康に主体的に向き合うきっかけを創出するために「Well-be Walk」の提供を開始しました。

この取り組みにおいて定義される「美しく歩く」という概念は、単に見た目の姿勢が良いという身体的な側面だけではありません。自信や幸福感、生きがいといった精神的な充足、さらには人や社会とのつながりや役割を感じながら歩む社会的な側面が調和した状態を指します。これは、世界保健機関(WHO)が提唱する健康の定義(※7)に基づき、歩行という観点から両社が独自に再定義した概念であり、個人のQOL(生活の質)やウェルビーイング(心身ともに満たされた状態)の向上に深く関連していると考えられています。

「美しく歩く」の定義図

「美しく歩く」の定義は、以下の3つの側面から構成されます。

  • Physical(身体的側面): 姿勢が良く、安定した歩行ができる状態です。関節や筋肉への負担が少なく、効率的に身体を動かせることを意味します。

  • Mental(精神的側面): 自分の歩き方に自信を持ち、歩くこと自体に幸福感や生きがいを感じられる状態です。前向きな気持ちで日常生活を送ることにつながります。

  • Social(社会的側面): 歩行を通じて、人や社会とのつながりを感じ、自身の役割を認識できる状態です。外出や社会参加が促進され、社会との接点を持つことができます。

「歩行の質が、人生の質になる」という考えのもと、「Well-be Walk」は人生100年時代において、誰もがいきいきと自分らしく歩み続けられる社会の実現に貢献することを目指します。

AIが導く、理想の歩行。次世代評価システム「Well-be Walk」始動

AI歩行評価システム「Well-be Walk」は、AIモーションキャプチャー技術を応用して、利用者の歩行を多角的に解析する画期的なシステムです。AIモーションキャプチャーとは、センサーやカメラなどを使って人の動きをデジタルデータとして捉え、AIがそのデータを解析することで、姿勢や動作の特徴を数値化・分析する技術です。これにより、歩行速度、姿勢の安定性、体のバランス、地面を蹴る推進力など、さまざまな要素を客観的に把握できます。

このシステムの大きな特長は、わずか8mの距離を歩くだけで評価が完了することです。測定後すぐにAIが解析を行い、その場で「歩行評価カルテ」として結果を確認できます。このカルテは、AI初心者の方にも直感的に理解できるよう工夫されています。

歩行評価カルテでは、利用者の歩行タイプを、推進力と安定性のバランスに基づいて以下の4つに分類します。

  • 快速元気: 歩行速度が速く、推進力に優れた力強い歩行が見られるタイプ。全体として活力にあふれた歩行スタイルです。

  • 勢い先行: 推進力はありますが、安定性に課題がある可能性のあるタイプ。

  • のんびりバランス: 安定性はありますが、推進力が不足している可能性のあるタイプ。

  • ゆっくりふらつき: 歩行速度が遅く、安定性にも課題がある可能性のあるタイプ。

さらに、総合スコア、レーダーチャート、そして関節角度、歩幅、速度などの数値データが詳細に整理されます。上半身の安定性(前後傾き、左右揺れ、腕振り、頭部揺れ、腕振り対称性)と下半身の推進力(歩行率、歩行速度、歩幅、歩幅対称性、下肢関節角)の合計10項目に基づき、自身の歩行特性を多角的に理解することが可能です。

AIモーションキャプチャー Well-be Walk 歩行評価カルテの例

Well-be Walk 歩行評価カルテの詳細項目

これらの詳細なデータは、AIが客観的に判断するため、これまで気づかなかった歩行の癖や課題を明確に浮き彫りにします。例えば、「重心が理想位置からどれだけ離れているか」「左右の腕振りのバランスはどうか」「着地時の股関節の角度は適切か」といった具体的な情報が得られます。これにより、利用者は自身の歩行を深く理解し、改善への具体的な第一歩を踏み出すことができます。

「測定」から「行動変容」へ。専門家が伴走する実践型ウェルビーイング支援

「Well-be Walk」は、単に歩行を測定して終わるシステムではありません。測定結果を基に、実際の行動変容へとつなげるための手厚いサポートが特長です。

2026年4月からは、熊本市中央区にある「メディメッセ桜十字」にてサービスが開始されます。ここでは、歩行評価カルテの結果をもとに、理学療法士などの専門職が、AIが解析した全10項目のデータに基づき、利用者一人ひとりの課題に応じた実践的な改善案をアドバイスします。例えば、上半身の安定性に課題があれば、体幹を意識した歩き方や簡単なストレッチを、下半身の推進力に課題があれば、足腰を鍛える運動などを具体的に提案してくれます。

さらに、より詳しく改善に取り組みたい方には、個別指導も提供されます。指導の前後で再度歩行評価を行うことで、改善の効果が視覚的に認識でき、モチベーションの維持にもつながります。「測定して終わり」ではなく、「行動変容まで伴走する」という点が、「Well-be Walk」の最も重要なポイントと言えるでしょう。

このシステムは、運動不足に悩む働き世代から、フレイル(加齢に伴う身体的・精神的機能の低下)予防を目指すシニア世代まで、幅広い層の健康維持に貢献します。「Well-be Walk」は、一生自分の足で歩き続けるための強力なパートナーとなることを目指しています。

サービス概要

  • 名称: AIモーションキャプチャー 歩行評価システム「Well-be Walk」

  • 実施場所: メディメッセ桜十字 予防医療センター内(熊本市中央区)

  • 利用方法: 健康診断のオプションとして、または単独での利用も可能

「Well-be Walk」が目指す、人生100年時代のウェルビーイング

桜十字グループとQ’sfixが共同開発した「Well-be Walk」は、単なる最新技術の導入に留まりません。その根底には、「人生100年時代を、誰もがいきいきと自分らしく歩み続けられる社会にしたい」という強い願いがあります。歩行の質を高めることは、身体的な健康はもちろん、精神的な自信や社会とのつながりにも影響を与え、個人のウェルビーイング全体を向上させます。

このシステムを通じて、利用者は自身の健康状態に対する意識を高め、具体的な行動変容へと踏み出すことができます。これにより、病気や要介護状態になるリスクを低減し、より長く、より質の高い生活を送ることが可能になるでしょう。

「Well-be Walk」は、AI技術が人々の健康と幸福に貢献する具体的な事例として、今後の社会に大きな影響を与えることが期待されます。働き世代の健康維持から、シニア世代のフレイル予防まで、幅広い世代の「美しく歩く」を支え、持続可能な社会づくりに貢献する、まさに「ウェルビーイング・フロンティア」を切り拓くシステムと言えるでしょう。

開発企業について

株式会社Q’sfix

1976年創業の企業グループであり、ITを通して人々の生活を豊かに、そして安心して暮らせる社会を支えることを目標としています。DXなどの環境変化に伴う多様な顧客ニーズや社会課題に対し、IT技術力を迅速に提供し、社会貢献を重視しています。社会インフラを支えるITシステムの開発に加え、デジタル変革を目指す顧客の支援、さらに高度な生体機能・動作機能計測技術をスポーツ、教育、リハビリ等の分野に還元しています。

桜十字グループ

「WELL-BEING FRONTIER 人生100年時代の生きるを満たす」をビジョンに掲げ、2005年に熊本県で「桜十字病院」からスタートしました。現在では、病院事業に留まらず、医療・介護・予防医療のヘルスケア領域において、全国で多岐にわたる事業やサービスを展開しています。幼少期から老年期に至るまで、人々の「Life Story」を支えるため、身体的なケアだけでなく、精神的・社会的に「生きるを満たす」新たな概念に基づく事業を提供しています。時代の変化に対応し、進化し続けることで、「カラダの健康」に加え、「ココロのしあわせ」「ひと・マチ・社会のあり方」の3つを基軸に、QOLの豊かな未来を切り拓く「ウェルビーイング・フロンティア」を目指しています。

まとめ

桜十字グループとQ’sfixが共同開発したAI歩行評価システム「Well-be Walk」は、AIモーションキャプチャー技術を用いて個人の歩行を詳細に分析し、その結果に基づいた専門家によるパーソナルなアドバイスを提供することで、利用者の健康意識と行動変容を促します。単なる測定で終わらせず、健康寿命の延伸と「美しく歩く」というウェルビーイングの実現を目指すこのシステムは、人生100年時代を豊かに生きるための新たなパートナーとなるでしょう。

「Well-be Walk」は、医療・介護・予防医療の分野においてAIがどのように貢献できるかを示す好例であり、今後のさらなる発展と普及が期待されます。AI初心者の方も、この機会に自身の歩行と健康について考えてみてはいかがでしょうか。

出典

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