AIと位置情報が融合!スマホ広告の新常識「人流広告(Flow Ad)」とは?
近年、私たちの生活に深く浸透しているAI(人工知能)技術は、さまざまな分野で革新をもたらしています。特にマーケティングや広告業界では、AIが膨大なデータを分析し、よりパーソナルで効果的な情報提供を可能にしています。そんな中、クロスロケーションズ株式会社が、9,300万IDという大規模なスマートフォンの位置情報データとAIを組み合わせた画期的な広告プロダクト「人流広告(Flow Ad)」の提供を開始しました。
この「人流広告」は、従来のインターネット広告がオンライン上の行動(検索履歴やサイト閲覧など)を主に分析していたのに対し、現実世界での人々の動き、つまり「人流」を詳細に把握し、その行動パターンや興味・関心に基づいて広告を配信するという、まったく新しいアプローチを提供します。AI初心者の方にも分かりやすく、この「人流広告」がどのようなもので、なぜ今注目されているのか、その仕組みと具体的な機能について深掘りしていきます。
変化する広告市場と「実世界の行動」の重要性
インターネット広告の市場は、年々拡大を続けています。2024年度には市場規模が約3兆6,517億円に達し、総広告費の約47.6%を占めるほど、私たちの情報収集や購買行動に欠かせない存在となっています(電通「2024年 日本の広告費」より)。動画広告、SNS広告、インフルエンサーマーケティングなど、広告を届ける方法は多様化しており、企業は「いかに生活者のリアルな関心や行動に合わせた広告を届けるか」という課題に直面しています。
これまでのインターネット広告は、主にパソコンやスマートフォン上での行動履歴、例えばどのようなウェブサイトを見たか、何を検索したかといったオンラインデータに基づいて、ターゲットとなる人を選んでいました。しかし、私たちはオンラインだけでなく、現実世界でも日々さまざまな場所へ移動し、特定の店舗を訪れたり、イベントに参加したりしています。こうした「実世界の行動」は、その人の興味やライフスタイルをより深く示す貴重な情報源となります。
スマートフォンの位置情報データは、この「実世界の行動」を捉えるための強力なツールです。位置情報から、ある人がどの地域に住んでいるのか、どんなお店によく行くのか、どのような施設に滞在する傾向があるのかといった、具体的な行動パターンを分析できます。この実世界の行動データを広告に活用することで、オンラインだけでは見えなかった潜在的な顧客層にアプローチする可能性が広がります。
クロスロケーションズ株式会社は、2018年の設立以来、この人流データを活用した広告配信サービスを提供してきました。そして2019年には、人々の来訪、滞在、流動、性年代といった情報を高精度に可視化・分析できるプラットフォーム「Location AI Platform®(LAP)」を提供開始。このLAPは、企業や自治体のマーケティング戦略、出店計画、都市計画、観光施策など、幅広い分野で活用され、すでに1,500社以上の導入実績があります。
そして今回、このLAPを基盤とし、実世界行動分析から広告配信までを一貫して行える新しい広告プロダクト「人流広告(Flow Ad)」が誕生しました。
「人流広告(Flow Ad)」とは?

「人流広告(Flow Ad)」は、「スマホ広告は、人流で進化する ― 実世界の行動から、生活者を理解する。」というコンセプトのもと、クロスロケーションズが提供する新しい広告配信手法です。
この広告の最大の特長は、LAPが持つ9,300万ID規模の膨大なスマートフォン位置情報ビッグデータと、最先端のAI分析技術を組み合わせている点にあります。AIが人々の来訪、滞在、行動パターンを詳細に解析し、そのデータに基づいて広告を配信する対象(オーディエンス)を生成します。これにより、オンライン上の行動だけでは捉えきれなかった「実世界の行動データ」から、生活者の深い興味や関心を理解し、より効果的な広告配信を実現します。
従来の広告との違い
従来の広告手法には、特定のエリアにいる人に広告を配信する「ジオターゲティング広告」や、特定のビーコン(発信機)に接触した人に広告を配信する「ビーコン接触型広告」などがあります。これらは「その場にいた人」を直接のターゲットとしていました。
しかし「人流広告(Flow Ad)」は、さらに一歩進んだアプローチを取ります。AIが、ある場所を訪れた人々の行動特性や、日常生活での移動ルート(生活導線)を解析することで、「同様の行動や関心を持つ層」にまで広告リーチを広げることが可能です。これにより、広告主は次のような、よりきめ細かく効果的なターゲティングを実現できるようになります。
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実勢商圏の推定居住者に向けた高精度広告配信: 特定の店舗や施設の実際の商圏(お客様がどこから来ているか)をAIが分析し、その商圏内に住んでいると推定される人々にピンポイントで広告を届けます。
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買回導線に沿ったターゲティング: 例えば、ある家電量販店を訪れた人が、その後にどのようなお店に立ち寄る傾向があるかといった「買い物のルート」を把握し、そのルート上にある関連店舗の広告を配信するといったことが可能になります。
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スポーツ観戦・高級ブランドなど嗜好スポット訪問者の行動パターンに基づく広告配信: 特定のスポーツ施設や高級ブランド店をよく訪れる人々の行動パターンを分析し、その人々の興味・関心に合った広告を配信します。
このように「人流広告(Flow Ad)」は、単に「どこにいたか」だけでなく、「なぜそこにいたのか」「その後にどこへ行く傾向があるのか」といった、より深い行動理解に基づいて広告を届けることで、生活者一人ひとりに寄り添った実世界起点の広告コミュニケーションを実現します。
「人流広告(Flow Ad)」の主な機能
「人流広告(Flow Ad)」には、効果的な広告配信を可能にするための様々な機能が搭載されています。AI初心者の方にも分かりやすく、それぞれの機能がどのように役立つのかを見ていきましょう。
1. 推定居住地分析によるオーディエンス生成

この機能では、特定の店舗やエリアを訪れた人々が、普段どこに住んでいるのかをAIが推定し、分析します。例えば、あるカフェに頻繁に訪れる人々が、どのような地域に集中して住んでいるのかを明らかにします。そして、その地域に住む人々の中から、来訪率の高さや来訪数の多さに応じて、広告を配信するターゲット層(オーディエンス)を生成します。
これにより、広告主は、実際に店舗を利用している顧客層がどこから来ているのかを把握し、そのエリアに住む潜在顧客に対して効率的に広告を配信できるようになります。新規出店を検討する際にも、既存店舗の成功パターンを参考に、最適な立地を選定する手がかりとなるでしょう。
2. 来訪率分布マップをもとにしたオーディエンス生成

この機能では、実際の来店データに基づいて、店舗や施設への来訪率が地域ごとにどのように分布しているかをAIが視覚的に分かりやすいマップで表示します。この「来訪率分布マップ」を見ることで、店舗の商圏がどこまで広がっているのか、どの地域からの来店が多いのかといった特性を一目で把握できます。
AIはこのマップ情報から、商圏の広がりや地域の特性に合わせて最適なオーディエンスを生成します。例えば、特定の地域からの来店は少ないものの、一度来店すると高頻度でリピートする層がいる場合、その地域を重点ターゲットとして広告を配信する、といった戦略が可能になります。これにより、漠然としたエリアに広告を出すのではなく、データに基づいた効果的なターゲティングが実現します。
3. Hot Place Rankingによるオーディエンス生成
特定の店舗や施設を訪れる人々が、他にどのような場所に立ち寄っているのかをAIが分析し、ランキング形式で表示する機能です。これにより、競合店舗や、顧客が関心を持つ可能性のある「嗜好スポット」(スポーツ施設、高級ブランド店、観光地など)を把握できます。
例えば、あるアパレルショップの顧客が、他にどのようなカフェや雑貨店を訪れているかを知ることで、顧客のライフスタイルや趣味嗜好を深く理解できます。この分析結果をもとに「ライフスタイル軸」でオーディエンスを生成し、顧客の興味・関心に合致する広告を配信することが可能になります。これにより、より潜在的なニーズに応える広告を届け、顧客のエンゲージメントを高めることが期待できます。
4. 多様な配信プラットフォームとの連携
「人流広告(Flow Ad)」で生成されたオーディエンスデータは、現代の主要な広告媒体やDSP(Demand-Side Platform)と連携可能です。具体的には、LINE、X(旧Twitter)、Facebook、Instagram、TikTokといったSNSプラットフォームや、TVerのような動画配信サービスなど、幅広いメディアで活用できます。
このように複数のプラットフォームと連携することで、人流データに基づく精緻なターゲティングと、各メディアの特性を最大限に活かした最適な広告配信を組み合わせることができます。例えば、特定のライフスタイルを持つ層にはInstagramでビジュアル重視の広告を、購買意欲の高い層にはLINEでクーポン付き広告を配信するなど、ターゲットとメディアの相性を考慮した戦略的なアプローチが可能になります。
5. 独自技術による来店計測

広告を配信した後、「本当にその広告が来店につながったのか?」という効果測定は非常に重要です。「人流広告(Flow Ad)」では、広告配信後の店舗への来訪状況をスマートフォンの位置情報で正確に計測する独自技術を搭載しています。
この機能では、単に広告を見た人が来店したかどうかだけでなく、「通行人バイアス」と呼ばれる、元々店舗の近くを通りかかっただけで来店した可能性のある人々を除外することで、広告が実際に来店を促した割合(来店リフト率)をより正確に算出します。これにより、実勢商圏の住民や、特定の行動導線を持つ人々に対する広告が、どれだけの効果をもたらしたかを具体的に可視化し、広告戦略の改善に役立てることができます。
「人流広告(Flow Ad)」の提供形式と価格
「人流広告(Flow Ad)」は、キャンペーン単位での利用が可能です。最低出稿金額は50万円からとなっており、幅広い企業や自治体が導入しやすい価格設定となっています。
「人流広告(Flow Ad)」の特徴まとめ
改めて、「人流広告(Flow Ad)」の主な特徴をまとめると以下のようになります。
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位置情報×AIで“人流”を広告配信に活用する新カテゴリー: これまでになかった、現実世界の行動データに基づいた広告配信を実現します。
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接触ベースから行動理解ベースへ:AIが興味・関心を推定: 単なる接触ではなく、AIが行動パターンから潜在的な興味・関心を深く理解します。
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オンライン広告では届かない“実世界の関心層”にリーチ: インターネット上だけでは見えなかった、現実世界での行動に基づくターゲット層にアプローチできます。
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DSP・SNS・動画を横断したマルチプラットフォーム展開: 主要な広告媒体と連携し、最適なチャネルで広告を配信します。
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広告効果をリアルデータで可視化・検証: 広告配信後の来店効果を位置情報データで正確に測定し、効果を検証できます。
Location AI Platform®(LAP)について
「人流広告(Flow Ad)」の基盤となっているのが、クロスロケーションズが提供する「Location AI Platform®(LAP)」です。このプラットフォームは、実世界における人々の来訪、滞在、流動、性年代といった情報を高精度に可視化し、活用できる次世代型のデータプラットフォームです。
LAPを基盤としたWebサービス「人流アナリティクス®」は、すでに1,500社以上の企業や自治体に導入されており、エリア・店舗マーケティングから都市計画、観光施策に至るまで、幅広い分野で活用されています。
今回、LAPに新たに実装された「LAP Adオーディエンス生成機能」により、人流データの分析・可視化だけでなく、スマートフォン広告を通じたプロモーションやマーケティングまでを一気通貫で実施できるようになりました。これにより、LAPは人流データを総合的に活用できる統合プラットフォームへと進化し、より多くのビジネス課題解決に貢献することが期待されます。
Location AI Platform®の詳細については、以下のリンクからご確認いただけます。
https://www.x-locations.com/service/lap/
クロスロケーションズ株式会社について
クロスロケーションズ株式会社は、位置情報ビッグデータと生成AI技術を組み合わせた人流データ活用プラットフォームを自社開発し、企業や団体に提供している企業です。主力サービスには、前述の「Location AI Platform®」のほか、Webサービス「人流アナリティクス®」や、訪日外国人の行動を可視化する「インバウンドアナリティクス+」などがあります。
また、人流データを活用して企業のビジネス拡大を支援する「Location Marketing Service」や、訪日外国人向け広告配信サービス「Inbound Marketing Service」など、様々なマーケティングソリューションも展開しており、データとAIが駆動する次世代のマーケティング基盤を提供しています。
同社の詳細については、以下の公式サイトをご覧ください。
https://www.x-locations.com/
位置情報分析データの取得とプライバシーへの配慮
クロスロケーションズが提供する位置情報分析データは、ユーザーのプライバシーに最大限配慮して取得・利用されています。ユーザーから許諾を得たスマートフォンアプリからの位置情報データのみを利用し、ユーザーの個人情報を特定できないように完全に匿名化した上で、分析利用を目的とした第三者利用について許諾を得たデータのみを使用しています。
また、分析結果の正確性を保証するため、「元データの偏り」(特定の携帯キャリアや特定のアプリにデータが集中すること)を排除し、すべての携帯キャリアのユーザーが利用する多数のアプリから得られたデータを完全に匿名化して利用しています。同社独自開発の分析エンジン「Location Engine™」は、端末ID、緯度経度情報、タイムスタンプを直接地図・施設情報と連携して分析することで、一般的なメッシュ型位置情報データでは難しい、ピンポイントでの詳細な分析データを提供することが可能となっています。
プライバシーポリシーについては、以下のリンクから詳細を確認できます。
https://www.x-locations.com/privacy-policy/
まとめ
クロスロケーションズ株式会社が提供を開始した「人流広告(Flow Ad)」は、9,300万IDもの膨大な位置情報データとAI技術を組み合わせることで、従来のオンライン広告では捉えきれなかった「実世界の行動」に基づいた、より精緻で効果的な広告配信を可能にする画期的なサービスです。
AIが人々の移動や滞在パターン、興味・関心を深く理解し、それに基づいて最適なターゲット層に広告を届けることで、企業や自治体は広告効果を最大化し、顧客とのより質の高いコミュニケーションを築くことができるでしょう。推定居住地分析、来訪率分布マップ、Hot Place Rankingといった多様な機能、そして主要な広告プラットフォームとの連携により、多角的なアプローチが実現します。
この新しい「人流広告」は、AIと位置情報データの融合によって、スマートフォンの広告がさらに進化し、私たちの日常生活に寄り添った情報提供が当たり前になる未来を予感させます。AI初心者の方も、この技術がどのように私たちの生活やビジネスを変えていくのか、ぜひ注目してみてください。これは、デジタルマーケティングの未来を大きく変える可能性を秘めた一歩と言えるでしょう。

