AIとRPAの融合で業務はどこまで進化する?「WinActor Manager on Cloud Ver.4.0」が描く未来
現代のビジネスシーンにおいて、業務の効率化とデジタル変革(DX)は企業の喫緊の課題となっています。特に、定型業務の自動化を担うRPA(Robotic Process Automation)は多くの企業で導入され、その効果を発揮してきました。しかし、より複雑で非定型な業務への対応には、RPAだけでは限界がありました。
こうした背景の中、NTTアドバンステクノロジ株式会社(以下、NTT-AT)は、RPAツール「WinActor®」の管理製品「WinActor Manager on Cloud(以下、WMC)」の新バージョン「Ver.4.0」を2026年2月16日から提供開始します。この新バージョンは、AIエージェントとの連携を可能にする画期的な機能が追加され、次世代の業務自動化を強力に推進します。
WinActor Manager on Cloud(WMC)とは?
「WinActor Manager on Cloud」は、多くの企業で利用されているRPAツール「WinActor」の実行管理や統制をクラウド上で行うための製品です。WinActorは、PC上で行う様々な定型業務を自動化するソフトウェアロボットですが、企業全体で多数のロボットを管理・運用するには、効率的な管理システムが不可欠です。WMCは、そうした管理業務をクラウドで一元化し、ロボットのスケジュール管理、実行状況の監視、ログの収集などを容易にすることで、RPA運用の負荷を軽減し、より安定した自動化環境を提供してきました。
新バージョン「Ver.4.0」の画期的な機能:MCPサーバーとは?
WMC Ver.4.0の最大の特長は、新たに搭載された「Model Context Protocol(MCP)サーバー」機能です。
MCPサーバーがAIエージェントとRPAをつなぐ
MCPは、AIアプリケーションが外部のツールやデータソースにアクセスするための標準的なプロトコルです。簡単に言えば、AIエージェント(AIの「頭脳」)が、WinActor(RPAの「手足」)に対して、標準的な方法で「こう動いてほしい」と指示を出すための「共通言語」のようなものです。

これまでのRPAは、人間が作成したルールに基づいて、決められた手順を正確に実行することに長けていました。しかし、状況に応じて判断が必要な「非定型業務」や、複数のシステムを横断する複雑な業務では、RPAだけでは対応が難しい場面が多くありました。
WMC Ver.4.0に搭載されたMCPサーバー機能は、AIエージェントからの指示を受け取り、それをWinActorが実行できるシナリオへと変換します。これにより、AIエージェントが「判断」し、WinActorが「実行」するという、まるで人間が頭で考え、手足で作業するような高度な連携が可能になります。
具体的な業務例でイメージを掴む
例えば、「今月の売上データを分析して、報告書を作成して」とAIエージェントに指示を出したとします。
- AIエージェント(頭脳)の役割: AIエージェントは、まず指示を理解し、社内のデータベースから必要な売上データを収集・分析します。次に、そのデータから重要なポイントを抽出し、報告書にまとめるべき内容を判断します。
- MCPサーバー(連携)の役割: AIエージェントが判断した内容を、MCPサーバーを通じてWinActorに伝達します。この際、WinActorがどのシナリオを実行すべきか、どのようなデータを入力すべきかといった指示も含まれます。
- WinActor(処理)の役割: WinActorは、指示された通りに報告書のテンプレートを開き、AIエージェントがまとめた内容を自動で入力していきます。グラフの作成や、指定されたシステムへの転記なども確実に行い、最終的な報告書を完成させます。
このように、従来は人間が手作業で行っていたデータ収集、分析、要約、そして報告書作成という一連の複雑なプロセスを、AIとRPAが連携することで大幅に効率化し、業務のスピードと正確性を劇的に向上させることができます。
WMC Ver.4.0の主な特長
WMC Ver.4.0は、AIとRPAの連携を強力に推進するだけでなく、企業が導入しやすいよう様々な工夫が凝らされています。
(1)AIエージェントとのシームレスな連携
WMC Ver.4.0を介することで、AIエージェントはWinActorシナリオを直接実行できるようになります。これにより、AIが収集した情報や判断結果に基づいて、WinActorが具体的な業務処理を確実に行う、高度な自動化が実現します。
注目すべきは、この連携に際して、従来のAPI仕様の事前把握や複雑な技術的知識が不要である点です。AIエージェントに対して自然言語(普段私たちが使う言葉)で指示を出すだけで、WinActorが動くワークフローを自動化できるため、専門的なIT知識がない現場の担当者でも、AIを活用した業務改善に参画しやすくなります。
(2)既存RPA資産の最大限の活用
すでにWinActorを導入している多くの企業にとって、WMC Ver.4.0は大きなメリットをもたらします。現在お持ちのWinActorシナリオをそのまま活用できるため、AIエージェントとの連携のためにゼロからシステムを構築したり、シナリオを再開発したりする必要がありません。
初期設定を行うだけで、既存のシナリオがAIエージェントからの指示で動くようになります。これにより、新たな開発コストや導入にかかる工数を大幅に抑えながら、AIとRPAを組み合わせた高度な自動化処理をすぐに開始できます。企業のRPAへのこれまでの投資を無駄にすることなく、AI連携によるさらなる業務精度と効率の改善が期待できます。
(3)安全で標準化された通信プロトコル
WMC Ver.4.0が提供するMCPサーバーは、AIエージェントと外部のツールやデータ(データベース、ファイルシステムなど)との間で、安全かつ標準化された方法で通信を行います。標準プロトコルであるMCPを採用することで、特定のAIエージェントに限定されることなく、様々なAIエージェントとの連携が可能になります。
これにより、定型的な業務をRPAが正確に実施しつつ、AIの判断力を加えることで、これまで自動化が難しかった非定型な情報処理まで含めた業務の自動化を、セキュリティを確保しながら実現できます。データのやり取りが標準化されることで、システムの安定性も向上し、長期的な運用における安心感も高まります。
MCPサーバーが担うRPAとAIエージェントの「橋渡し役」
業務自動化の領域では、これまでRPAは「手足」として定型的な業務を正確に実行し、AIエージェントは「頭脳」として複雑な情報を理解し、自律的に判断する役割を担ってきました。この二つの役割がそれぞれ独立して機能することが多かったのですが、MCPサーバーは、この「手足」と「頭脳」を円滑につなぐ、まさに「橋渡し役」として機能します。
AIが状況を判断し、RPAに具体的な行動を指示することで、より賢く、より効率的な業務フローが構築されます。これにより、単なる作業の自動化を超え、業務プロセス全体の最適化、ひいては企業の競争力強化に貢献することが期待されます。
企業が得られる具体的な価値
WMC Ver.4.0の導入は、様々な企業の状況に応じて大きな価値をもたらします。
WinActorをご利用中の企業へ
既にWinActorを導入し、RPAによる業務効率化を進めている企業は、既存のシナリオ資産をそのまま活用しながら、AIエージェントとの連携を容易に実現できます。追加の開発コストや複雑な設定なしに、AIの判断力をRPAの実行力に組み込むことが可能になり、これまで自動化が難しかった業務領域にもRPAの適用範囲を広げることができます。これにより、RPAへのこれまでの投資効果を最大限に引き出し、さらなる業務改善と生産性向上に繋がるでしょう。
AIエージェントを利用中・検討中の企業へ
AIエージェントを既に導入している、あるいは導入を検討している企業は、WMC Ver.4.0を通じてWinActorとの連携を図ることで、AIの「判断力」にRPAの「実行力」を付加し、業務実行力を大幅に強化できます。AIが導き出した分析結果や最適な判断を、RPAが具体的なシステム操作やデータ処理として確実に実行することで、AI投資の費用対効果を最大化することが可能です。これにより、AIが単なる情報分析ツールに留まらず、実際の業務プロセスを動かす強力な推進力となるでしょう。
WinActorについて

WinActorは、2010年にNTTアクセスサービスシステム研究所で開発された技術を基に、NTT-ATが2014年に製品化したRPAツールです。「プログラミングスキルがなくても現場の担当者が使える操作性=現場フレンドリー」をコンセプトに開発され、多くの日本企業のバックオフィス業務の自動化に貢献してきました。
2025年3月末には導入社数が8,500社を突破するなど、販売開始から13年目を迎える現在も、その実績は拡大を続けています。WinActorは、今後もAIとの連携機能を強化していくことで、AIトランスフォーメーション(AX)およびデジタルトランスフォーメーション(DX)製品の社会実装を促進し、日本企業の生産性向上に貢献していく方針です。
まとめと今後の展望
NTTアドバンステクノロジが提供を開始する「WinActor Manager on Cloud Ver.4.0」は、AIエージェントとRPAの連携を標準化されたプロトコルで実現することで、次世代の業務自動化の扉を開きます。
AIの持つ高度な判断力とRPAの確実な実行力を組み合わせることで、企業はこれまで人手に頼っていた複雑な業務プロセスを効率的に自動化し、大幅な生産性向上とコスト削減を実現できます。これは、単なる業務の自動化に留まらず、企業全体のDX・AXを加速させる強力な基盤となるでしょう。
AIとRPAが協調する未来のワークスタイルは、企業の競争力を高め、従業員がより創造的な業務に集中できる環境を生み出すことにきっと貢献するでしょう。WMC Ver.4.0は、その未来を現実のものとするための重要な一歩と言えます。
詳細については、NTTアドバンステクノロジの公式ウェブサイトもご参照ください。
(※WinActorはNTTアドバンステクノロジ株式会社の登録商標です。)

