Unreal Engine向け物理演算プラグイン「Bone Dynamics」がiOS対応!新機能でゲーム開発のリアリティと効率を向上

Unreal Engine向け物理演算プラグイン「Bone Dynamics」がiOS対応!新機能でゲーム開発のリアリティと効率を向上

デジタルコンテンツ関連ビジネスを展開するシリコンスタジオ株式会社は、Unreal Engine向け揺れものボーンプラグイン「Silicon Studio Bone Dynamics」の最新バージョン(Ver.1.1.0)をリリースしました。このバージョンアップでは、ユーザーからの要望に応え、iOSプラットフォームへの対応を含む複数の機能追加と改善が行われ、ゲーム開発におけるキャラクターやオブジェクトの揺れもの表現がさらにリアルかつ効率的に制作できるようになりました。

複数のロボットモデルが様々なポーズで並べられている画像

「揺れもの」とは?ゲームのリアリティを高める物理演算の役割

ゲームや映像の世界では、キャラクターの髪や衣装、アクセサリー、または背景にある植物などが、キャラクターの動きや風などの影響を受けて自然に揺れ動く表現が求められます。このような表現を「揺れもの」と呼び、キャラクターに生命感を与え、没入感を高めるために非常に重要です。手作業で一つ一つの動きを作るのは膨大な手間がかかるため、物理演算(物理シミュレーション)という技術が使われます。物理演算は、現実世界の物理法則(重力、衝突、摩擦など)をコンピューター上で再現し、これらの「揺れもの」の動きを自動で計算する技術です。

「Silicon Studio Bone Dynamics(以下、Bone Dynamics)」は、この物理演算に特化したUnreal Engine向けのプラグインです。高速なボーンベース処理と独自のロジックを組み合わせることで、自然で破綻の少ない揺れ表現を実現し、ゲーム開発現場の効率化をサポートしています。

Ver.1.1.0で追加・改善された主な機能

2025年8月の提供開始以来、多くの企業ユーザーに利用されてきたBone Dynamicsは、今回のVer.1.1.0で、ユーザーからのフィードバックを元に以下の主要な機能追加と改善が実施されました。

1. 対応プラットフォームの追加(iOSに対応)

今回のアップデートで、新たにiOSプラットフォームに対応しました。これにより、iPhoneやiPadなどのiOSデバイス向けに開発されるゲームでも、Bone Dynamicsを活用して高品質な揺れもの表現を実現できるようになります。モバイルゲーム市場の拡大に伴い、この対応は多くの開発者にとって大きなメリットとなるでしょう。

2. 異常検出システム

物理シミュレーションでは、まれにキャラクターの衣装が体の中を突き抜けてしまったり(コリジョン貫通)、不自然な動きをしてしまったりする「異常」が発生することがあります。このような異常はゲームの品質を損ねるため、開発者は手作業で修正する必要がありました。

Ver.1.1.0では、以下の2つの機能が追加され、この課題を解決します。

  • 物理シミュレーション中の異常(コリジョン貫通など)を自動検出する機能: シミュレーション中に発生する不自然な状態をシステムが自動で検知します。

  • 検出された異常を自動的に修正する「リセット」機能: 異常が検出された際に、自動的に状態を健全なものに戻すことで、手動での修正作業を軽減し、開発効率を向上させます。

白い人型ロボットがパステルカラーのピクセルアートのようなチェッカー柄のスカートを着用して立っている画像

白い人型ロボットがパステルカラーのチェック柄のロングスカートを着用している画像

3. 空間的な当たり判定の自動調整・精度向上(Collision Space Accuracy)

キャラクターの髪や布のような揺れものは、他のオブジェクトやキャラクターの体と「衝突」(当たり判定)することで、よりリアルな動きが表現されます。この当たり判定の精度は、揺れものの自然さに直結します。

  • 布や髪のボーン数が不足している場合に当たり判定の分割数を自動判定する機能: 複雑な形状の揺れもの(特に布や髪の毛など、ボーン数が多くなりがちなもの)において、適切な当たり判定の分割数を自動で判断し、設定する機能が追加されました。これにより、開発者が手動で細かく設定する手間が省け、かつ最適な精度でシミュレーションが行われます。

  • 以前より細かい精度の設定が可能: より高度な表現を求める開発者向けに、当たり判定の精度をこれまで以上に細かく設定できるようになり、より高品質なビジュアルを実現できます。

4. 時間的な当たり判定の自動調整・精度向上(Collision Time Accuracy)

動きの速いキャラクターやオブジェクトの場合、通常の当たり判定では、あるフレームと次のフレームの間でオブジェクトが通り過ぎてしまい、衝突が検出されない「すり抜け」が発生することがあります。これを防ぐためには、時間軸を細かく区切って判定を行う必要があります。

  • 動きが速い場合に時間を細かく区切って当たり判定を行うための分割数の自動判定機能: キャラクターの動きが速い場合に、システムが自動で時間的な当たり判定の分割数を調整します。これにより、高速な動きの中でも正確な衝突を検出し、不自然なすり抜けを防ぎます。

  • 以前より細かい精度の設定が可能: こちらも空間的な当たり判定と同様に、より細かい時間的な精度設定が可能となり、様々なシーンでの物理シミュレーションの信頼性が向上しました。

5. ジョイント自動追加機能

揺れもの表現を設定する際、どのボーン(骨組み)を揺れさせるかを示す「ジョイント」を手動で一つ一つ設定するのは非常に手間がかかります。

  • 条件に一致するボーンをまとめてJointPairへ追加する機能: 特定の条件(例えば、名前の一部が一致するボーンなど)を満たすボーンをまとめてジョイントペアとして追加する機能が実装されました。これにより、多数のジョイントを設定する際の作業時間を大幅に短縮し、開発者の負担を軽減します。

これらの主要な機能追加・改善の他にも、既存機能の改善や不具合の修正が行われ、全体的なパフォーマンスの向上が図られています。

Silicon Studio Bone Dynamicsについて

「Silicon Studio Bone Dynamics」は、自然で破綻の少ない揺れ表現を追求した、Unreal Engine対応の物理演算プラグインです。高速なボーンベース処理に独自のロジックを加えることで、リアルな動きを実現します。豊富な衣装プリセットとリアルタイムプレビュー機能により、容易にモーション調整が可能で、制作現場の意見・要望をもとに改良を重ねた仕組みがスムーズな開発を支援します。

  • 対応OS: Windows、Android™、iOS

  • 対応ゲームエンジン: Unreal Engine

詳細については、以下のWebページおよびTECHブログをご覧ください。

シリコンスタジオ株式会社について

シリコンスタジオ株式会社は、世界最高レベルの技術力をもって、創る人と愉しむ人に感動を与えることを目指す企業です。ゲームや映像制作スタジオ向けに加え、自動車、映像、建築など、さまざまな業界向けに3DCG技術等を提供する開発推進・支援事業、クリエイター職の派遣・紹介に特化した人材事業を展開しています。ゲーム企業が抱えるすべての課題をワンストップで解決できること、および、ゲーム業界で培った3DCG技術等を他業種にも展開できることが強みです。同社のミドルウェアであるポストエフェクトミドルウェア『YEBIS』、リアルタイムレンダリングエンジン『Mizuchi』、リアルタイムグローバルイルミネーション『Enlighten』は、これまでワールドワイドで数多くのAAAタイトルに採用されてきました。

「Ideas × Art × Technology®」というスローガンと「技術力・表現力・発想力を兼ね備えたCGソリューションプロバイダー」という説明文が書かれた画像

同社は「Ideas × Art × Technology」を掲げ、CG業界をリードするソリューションプロバイダーとして、顧客の課題解決はもちろん、付加価値のあるアウトプットの提供を約束しています。今後もゲーム開発者がより質の高いゲームを手軽に開発できる環境を整えるため、ユーザーからの機能追加や改善要望に応えていく方針です。

※ 掲載の製品はUnreal® Engineを使用しています。
※ Unreal®は、アメリカ合衆国およびその他の地域におけるEpic Games, Inc.の商標または登録商標です。
※ その他の記載されている名称は各社の商標または登録商標です。

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