音声AI「Recho」が3億円を資金調達!エンタープライズ市場でAI活用を加速する「本物のVoice AI」とは?
AI(人工知能)の進化は目覚ましく、私たちの生活やビジネスに大きな変化をもたらしています。中でも「音声AI」は、コールセンターでの顧客対応や、スマートスピーカーを通じた情報検索など、身近な場所でその存在感を増しています。
そんな音声AIの分野で注目を集める「株式会社Recho(レコー)」が、このたびシリーズAラウンドのファーストクローズで3億円の資金調達を実施しました。リード投資家にはSBIインベストメント株式会社を迎え、Rechoはエンタープライズ(企業向け)市場での本格展開を加速するとのことです。
このニュースは、単なる資金調達の話題にとどまらず、AI技術がビジネスの現場でどのように活用され、私たちの未来をどう変えていくのかを示す重要な一歩と言えるでしょう。今回は、Rechoの「Voice AIプラットフォーム」がどのようなものなのか、なぜ今これほど注目されているのかを、AI初心者の方にも分かりやすい言葉で詳しく解説していきます。
Recho(レコー)とは? 音声AIプラットフォームの基本
Rechoが提供する「Voice AIプラットフォーム」は、企業が独自の音声AIエージェントを構築・運用するための基盤です。簡単に言えば、AIが人間の代わりに電話対応をしたり、顧客からの問い合わせに答えたりするシステムを作るためのツール群だと考えると良いでしょう。
例えば、皆さんが銀行や行政機関に電話をかけた際、AIが自動で用件を聞き取り、適切な部署につないだり、簡単な質問に答えたりする体験をしたことがあるかもしれません。Rechoのプラットフォームは、このような「Voice AI」を、より高度で自然な会話ができるように進化させることを目指しています。
RechoのAIは、単に決められたフレーズを話すだけでなく、人間の複雑な会話を理解し、状況に応じて柔軟に対応できる能力を持っています。これにより、企業は顧客サービスの品質を向上させながら、業務の効率化を図ることができるのです。

シリーズAラウンドで3億円調達! その背景を深掘り
今回の3億円の資金調達は、Rechoがこれまでに築き上げてきた技術力と実績、そして将来性への大きな期待が込められています。この資金調達の背景には、いくつかの重要なポイントがあります。
エンタープライズ市場での確かな実績
Rechoは2024年4月のサービス開始以来、すぐに汎用的なサービス展開を急ぐのではなく、まず「エンタープライズグレード」と呼ばれる非常に高い品質基準が求められる企業への導入に注力してきました。具体的には、金融機関や行政機関、大手プラットフォーム企業といった、高度なセキュリティと信頼性が不可欠な分野で実績を積み重ねてきたのです。
これらの厳しい環境での導入を通じて、RechoのVoice AIは、実際の応対で起こる会話の複雑さ、実務レベルで求められる音声品質、そしてシステムの安定性やセキュリティ面において、その実力を証明してきました。この「ゼロイチフェーズ」(全く新しいものを生み出す段階)での成功が、今回の資金調達へとつながっています。Rechoは、この実績を基に、より多くの企業へプラットフォームを提供するための準備が整ったと言えるでしょう。
SBIインベストメントとの強力なタッグ
今回の資金調達をリードしたのは、SBIインベストメント株式会社です。SBIグループは金融業界で幅広い事業を展開しており、Rechoは既にSBIグループ内でAIプロジェクトを推進しています。この協業は、単なる投資関係にとどまらず、金融業界におけるVoice AI活用の本格展開に向けた「戦略的パートナーシップ」を意味します。
SBIグループが持つ金融業界での深い知見と広範なネットワークは、Rechoがエンタープライズ市場、特に金融分野での展開をさらに強化する上で、非常に大きな力となるでしょう。金融業界は、顧客とのコミュニケーションが非常に重要であり、かつ高いセキュリティと正確性が求められるため、Rechoの高品質なVoice AIが活躍する可能性は非常に大きいと見られます。
自社開発が生み出す「本物のVoice AI」
近年、生成AIの進化により「Voice Agent(音声エージェント)」市場への注目が高まっています。しかし、AIのデモンストレーションが動くことと、実際のビジネス現場で安定して稼働することの間には、大きな隔たりがあるのが現状です。
MIT Technology Reviewの調査(※2)によると、タスク特化型生成AIにおいて、実際に本番実装に到達する企業はわずか5%程度とされています。これは、Voice AIの分野でも同様で、実証実験から本格的な運用への移行には、高い技術的なハードルが存在することを示しています。
Rechoは創業当初から、このハードルを乗り越えるために、音声合成(TTS:テキストを音声に変換する技術)、音声認識(ASR:音声をテキストに変換する技術)、対話制御(会話の流れを管理する技術)といった音声技術の基盤を、AIネイティブなアーキテクチャで自社開発してきました。これは、既存の電話自動応答システム(IVR)やチャットボットの延長線上ではなく、生成AI時代に最適化された新しい構造を持っていることを意味します。
Rechoの独自開発技術は、グローバルベンチマーク(世界的な性能評価基準)においてもトップ水準の性能を達成しているとされています(※3)。特に日本語においては、その自然な会話体験と高い認識精度で優位性を確立しており、日本の企業にとって非常に魅力的なソリューションとなっています。現在、大手金融機関、行政機関、グローバルメーカー、プラットフォーマーなどでの導入が進んでおり、コールセンター業務の効率化と顧客体験の向上に貢献している実績があります。
-
※2:出典:『The GenAI Divide STATE OF AI IN BUSINESS 2025』(https://mlq.ai/media/quarterly_decks/v0.1_State_of_AI_in_Business_2025_Report.pdf)
-
※3:Rechoプレスリリース:「Rechoの独自開発音声合成・音声認識モデルがグローバルで最高水準を達成」(https://recho-ai.com/posts/jh-odhct1g)
-
参考:Rechoプレスリリース「Voice AIプラットフォーム企業Recho(レコー)が1.2億円の資金調達を実施」(https://recho-ai.com/posts/recho-120m-investment)
Rechoが描く未来:今後の展開
今回の資金調達を受けて、Rechoは今後どのような展開を目指していくのでしょうか。主な資金使途と事業戦略について見ていきましょう。
「AIネイティブ組織」の強化
Rechoは、エンジニアの比率が90%を超える「AIネイティブ」な組織です。これは、音声基盤技術の研究開発から、その技術を実際のシステムとして構築し、運用するまでの一連のプロセスを、すべて自社内で完結できることを意味します。通常、これらは複数の企業に分散して行われることが多いのですが、Rechoは内製化することで、顧客からのフィードバックを素早く技術改善に反映し、高速な改善サイクルとエンタープライズ品質を実現しています。
今回の資金調達では、この一気通貫体制をさらに強化するため、研究開発、基盤技術、プラットフォーム開発、顧客実装を担う専門エンジニアの採用を加速します。これにより、技術開発から顧客への導入までのスピードを一段と高め、音声AI市場でのリーダーとしての地位を確立することを目指しています。
導入領域の拡大とプロダクトの汎用化
これまでRechoは、個別の企業ニーズに深く寄り添う「コンサルティング型」のアプローチで事業を展開してきました。各業界の代表的な企業で実績を積み重ねる中で得た豊富な知見を基に、今後はプロダクトの「汎用化」と「型化」を進めていきます。
将来的には、導入企業が「セルフサービス」でVoice AIを構築できるサービスの提供も予定されており、これにより、より多くの企業がRechoの高品質なVoice AIを簡単に活用できるようになるでしょう。Rechoは、幅広い業界への導入を拡大・加速することで、すべての企業が高品質なVoice AIを活用できる未来の実現を目指しています。
投資家・代表からのメッセージ
今回の資金調達にあたり、リード投資家であるSBIインベストメント株式会社のキャピタリストマネージャー 北川 智也氏と、株式会社Recho 代表取締役 邱 実氏からコメントが寄せられています。
北川氏は、「近年の生成AIアプリケーションは人間の『補助』から『代替』へと進化しつつあります。中でも音声AI市場は急速に拡大しており、Rechoは企業との音声コミュニケーション領域における独自開発の高精度モデルとエンタープライズ企業への強いデリバリー力を有しています。」と述べ、Rechoの技術力と市場における可能性に大きな期待を寄せています。AIが人間の役割を再定義する未来を共に創るパートナーとして、Rechoの挑戦を応援する姿勢がうかがえます。

Rechoの代表取締役 邱 実氏は、「この1年半、私たちは『本物のVoice AI』を作ることにこだわり、金融機関や行政機関といった最も要求水準の高い顧客と向き合ってきました。その結果、エンタープライズグレードの品質基準を満たすプラットフォームを確立することができました。」と語っています。
また、「Voice AI市場には多くのプレイヤーが参入していますが、デモとして動くことと、実運用に耐えることの間には大きな隔たりがあります。私たちはAIネイティブな技術基盤と、研究開発から運用までを一気通貫で担う組織体制により、この壁を乗り越えてきました。」と、自社の強みを改めて強調し、「Voice AgentといえばRechoと言われる存在になるべく、チーム一丸となって取り組んでまいります。」と今後の意気込みを表明しました。
株式会社Recho 会社概要
Rechoは「Your 2nd Voice」というコンセプトのもと、AIネイティブな音声AIプラットフォームを開発・提供しています。独自開発の音声合成・音声認識技術と対話制御システムを通じて、企業がエンタープライズグレードのVoice Agentを構築できる環境を提供し、すべての人がもっと豊かにつながる社会を目指しています。
-
代表者:邱 実
-
主要事業:Voice AIプラットフォーム及びVoice Agentの開発・運営
-
本社:〒104-0053 東京都中央区晴海3丁目10-1 Daiwa晴海ビル 2F
Rechoで働くチャンス! 採用情報
Rechoは、Voice AIプラットフォームと、新しい未来を共に創っていく仲間を積極的に募集しています。
特に、音声AI技術の研究開発、音声基盤技術の開発、プラットフォーム・インフラ開発、プロジェクトエンジニアなど、エンジニア職種を中心に採用を強化しているとのことです。エンジニア比率90%を超えるテックネイティブな環境で、世界トップレベルの技術開発に挑戦したい方にとっては、非常に魅力的な機会となるでしょう。
詳細については、以下の採用情報ページをご覧ください。
まとめ
株式会社Rechoが実施した3億円の資金調達は、同社がこれまでに培ってきた「本物のVoice AI」技術と、エンタープライズ市場での確かな実績が高く評価された結果と言えるでしょう。SBIインベストメントとの戦略的協業を通じて、特に金融業界でのAI活用が加速することは間違いありません。
自社開発による高度な音声基盤技術と、研究開発から運用までを一貫して行う「AIネイティブ組織」の強みを活かし、Rechoは今後、より多くの企業に高品質なVoice AIを届け、ビジネスの効率化と顧客体験の向上に貢献していくことが期待されます。Voice AIが当たり前になる未来において、Rechoがどのような存在感を発揮していくのか、今後の動向から目が離せません。

