AI時代を加速する新ソリューション:セキュアなオンプレミスAIサーバーが登場
近年、ビジネスにおけるAI活用は目覚ましい進展を遂げています。特に「生成AI」と呼ばれる技術は、文章作成、アイデア出し、データ分析など、多岐にわたる業務でその可能性が期待されています。しかし、多くの企業が生成AIの導入に際して、いくつかの課題に直面しています。
その一つが「セキュリティ」です。企業の機密情報や個人データをクラウド上のAIサービスに預けることに懸念を抱くケースは少なくありません。また、AIモデルの精度検証や、社内環境への導入に伴う技術的な負荷も大きな課題となっています。こうした背景から、安全性と導入のスピードを両立できるAIソリューションが強く求められていました。
このような企業のニーズに応えるべく、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)、株式会社リコー、リコージャパン株式会社の3社が共同で、画期的なソリューションの提供を開始しました。それが、リコー製の大規模言語モデル(LLM)を搭載した「超小型デスクサイドAI用サーバー」です。このソリューションは、自社の施設内にAI環境を構築する「オンプレミス」形式で、セキュアかつ手軽に生成AIを利用できるのが最大の特徴です。設置場所を選ばないコンパクトな設計で、モデル検証から業務単位でのAI活用まで、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を強力に支援します。
超小型デスクサイドAIサーバーの魅力:手軽さと高性能の両立
この新しいAIソリューションの中心となるのが、その名の通り「デスクサイド」に設置できるほどコンパクトなAI用サーバーです。従来のAIサーバーは大規模で設置スペースや電源、冷却設備が必要となることが多かったのですが、本サーバーは非常に小型でありながら、大規模なLLMを動作させるための高い計算能力と機動性を兼ね備えています。
設置場所を選ばないコンパクト設計
本サーバーの筐体は、150 x 150 x 50.5mmという超小型設計が特徴です。これにより、オフィス内のデスクサイドや小規模なスペースにも手軽に設置できます。AI専用のスーパーコンピュータチップであるNVIDIA GB10 Grace Blackwell Superchipを基盤に構築されており、コンパクトながらローカル環境で最大2000億パラメータのモデル開発・推論が可能です。これにより、設置場所の制約なく、必要な部署や担当者の元でAI環境を構築し、すぐにAI活用を始められる点が大きなメリットです。

リコー製LLMの搭載:コンパクトながら高性能を実現
サーバーに搭載されているのは、リコーが開発した大規模言語モデル(LLM)です。LLMとは、人間が使う自然な言葉を理解し、文章を生成したり、質問に答えたりするAIのことです。多くのLLMは非常に巨大な「パラメータ」(AIの学習要素の規模を示す指標)を持ちますが、リコー製LLMは270億パラメータと比較的コンパクトな構成でありながら、高い性能を実現しています。これにより、超小型サーバーでも効率的かつ高性能なAI処理が可能となり、お客様は場所を選ばずにセキュアな環境でAIを活用できます。
オンプレミス環境で実現する、最高レベルのセキュリティ
生成AIの導入を検討する企業にとって、最も重要な懸念の一つが「情報セキュリティ」です。特に機密情報や個人情報を含むデータを扱う場合、外部のクラウドサービスに情報を預けることに抵抗を感じる企業も少なくありません。
このソリューションは「オンプレミス環境」での利用を前提としています。オンプレミスとは、自社内にサーバーやシステムを設置し、運用する形態のことです。これにより、企業のデータは社内のネットワーク内で処理・管理されるため、外部への情報漏洩のリスクを大幅に低減できます。機密データを扱う企業や、厳格なセキュリティポリシーを持つ組織にとって、オンプレミスでのAI活用は極めて重要な選択肢となるでしょう。
「Dify」プリインストールで、AI活用をすぐに開始
本ソリューションでは、AI用サーバーにリコー製LLMだけでなく、生成AI開発プラットフォーム「Dify(ディフィ)」もプリインストールされています。Difyは、プログラミングの知識がなくても生成AIアプリケーションを開発できる「ノーコード」ツールです。これにより、お客様はサーバーの導入後、特別な設定を行うことなく、すぐにAIの動作検証やアプリケーション開発を開始できます。
AI活用のハードルを下げ、誰もが手軽に生成AIの恩恵を受けられるように設計されているため、AI初心者でも安心して導入できるでしょう。
3社協業で実現する、導入から運用までの一貫サポート
この画期的なソリューションは、CTC、リコー、リコージャパンの3社がそれぞれの強みを活かし、密接に連携することで実現しました。お客様がAIを「使える」「使いこなせる」ように、導入から運用までを強力にサポートします。
リコー、リコージャパンの役割:お客様に寄り添うAI活用支援
株式会社リコーおよびリコージャパン株式会社は、お客様の業種や業務に合わせた「使える・使いこなせるAI」の提供を通じて、オフィスおよび現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援しています。今回のソリューションも、その一環として提供されます。
リコーは、AI活用の提案から、具体的なAI商材の提供、さらに導入後の運用支援までをパッケージとして提供しており、お客様の利用規模や用途に応じた多様なラインアップを展開しています。既存の「RICOH オンプレLLMスターターキット」と合わせて、今回の超小型デスクサイドAIサーバーソリューションは、オンプレミス環境でのセキュアなAI活用を望む企業にとって、選択肢をさらに広げるものとなるでしょう。
CTCの役割:導入プロセスの最適化と現場負荷の軽減
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)は、長年のシステムインテグレーション(SI)実績とインフラ構築で培った豊富なノウハウを活かし、本ソリューションの導入プロセスを最適化します。具体的には、以下の点で大きな価値を提供します。
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機器調達・管理: ハードウェアの設計要素や構成を確定し、最適な機器を調達します。
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サーバーキッティング・LLM同梱初期設定: サーバーへのOSやネットワーク設定、リコー製LLMのプリインストールや初期設定をCTCが一括して行います。お客様は特別な技術的な知識がなくても、すぐにAI環境を利用開始できます。
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事前動作検証: 出荷前に徹底した動作確認作業を実施し、お客様の手元に届いた時点で問題なく稼働することを保証します。
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出荷・輸送管理: お客様への納品まで、出荷から輸送までを一貫して管理します。

これらのサービスにより、お客様は導入までのリードタイムを最小限に抑えられ、現場作業の負荷を大幅に軽減できます。CTCのSE(システムエンジニア)が顧客要件の確認からスペック確定、各種設定シートや手順書の作成までを支援することで、企業は安心してAI導入を進めることが可能です。
どのような企業に最適か?具体的な活用シーン
この超小型デスクサイドAI用サーバーは、特に以下のような企業やニーズを持つ組織に最適なソリューションです。
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機密情報を扱うため、オンプレミス環境でのAI利用が必須の企業
金融機関、医療機関、政府機関など、厳格なデータセキュリティが求められる業界では、クラウドサービスへのデータ預託が難しい場合があります。本ソリューションであれば、社内ネットワーク内でデータを完結させ、安心して生成AIを利用できます。 -
AIの動作検証や、全社導入に向けたテストを行いたい企業
本格的なAI導入の前に、小規模な環境でAIの性能や効果を検証したい場合に最適です。手軽に導入できるため、PoC(概念実証)フェーズから実運用への移行をスムーズに進められます。 -
特定の業務単位や担当者単位でAIを導入したい企業
全社規模での大規模導入ではなく、特定の部署やチーム、あるいは個々の担当者の業務効率化のためにAIを活用したい場合に、柔軟に導入できます。例えば、R&D部門でのアイデア創出、マーケティング部門でのコンテンツ生成支援、カスタマーサポートでのFAQ自動応答システムの構築など、様々なシーンでの活用が考えられます。 -
AI導入の専門知識やリソースが不足している企業
CTCによるプリインストールや設定支援、リコージャパンによる導入・運用サポートがあるため、AIに関する専門知識を持つ人材が不足している企業でも、比較的容易にAI活用を開始できます。
今後の展望:AI活用の高度化へ向けて
CTC、リコー、リコージャパンの3社は、今後も連携を強化し、オンプレミス環境でのLLM提供を通じてお客様のAI活用を支援していく方針です。企業が抱えるAI導入のハードルをさらに下げ、AI活用の高度化に向けた付加価値提供を強化することで、日本の産業全体のDXを加速させることに貢献していくことでしょう。
生成AIの進化は止まることを知りません。この新しいソリューションが、多くの企業にとって、より安全で効率的なAI活用の第一歩となることが期待されます。
関連情報
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RICOH オンプレLLMスターターキット
https://promo.digital.ricoh.com/ai/service/ricoh-on-premises-llm-starter-kit/ -
リコー、「Gemma 3 27B」ベースにオンプレミス導入に最適な日本語LLMを開発
https://jp.ricoh.com/release/2025/1208_1

